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堀切で「ミニ野菜市」―社会参加困難な若者の就労訓練として

野菜市の様子

野菜市の様子

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 堀切の「南郷外科・整形外科医院」(葛飾区堀切3)の向かいの庭先で9月6日、「ミニ野菜市」が開かれた。主催は任意団体「たすかーる葛飾」。

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 同団体は、社会参加が困難なひきこもりがちな若者に、職業訓練を兼ねた軽い就労の場を作る活動を行う。同市もその一つで、時給は100円。ここで経験を積むことで、少しずつ自信を取り戻し、就職やアルバイトを始めているという。会場は当初は市民活動支援センター(葛飾区立石3)のみだったが、支援者からの提供で、堀切と四つ木の計3カ所に増えた。毎月2回、定期開催するほか、区内イベントにも多数出店している。

 同日のスタッフは、3人の若者メンバーと同団体副代表の村松慧維子さん。袋詰め、お釣りの計算、接客と役割分担をして取り組んだ。ジャガイモ、オクラ、ナシなどの新鮮な野菜や果実を並べる。野菜は全て千葉県白井市から仕入れ、ほとんどが無農薬。前日に収穫したものを販売するので、鮮度が高くおいしいと評判を呼んでいるという。ナスとゴーヤを購入し、同市を毎回楽しみにしているという女性は「こういう市はこの辺りにはないので、ありがたい」と話す。

 今回初参加の畠山志織さんは「野菜を売るのが楽しい」と満面の笑みで接客を行う。村松さんは「目的は就労の練習と自信をつけさせること。『ありがとう』と声を掛けられたり、野菜を手渡したりと、一つ一つが社会参加への自信につながる」と話す。実績も出ており、取引先に就職したメンバーが2人、就労支援センターから就職口を紹介されたメンバーが1人。就職後も毎回手伝いに来るメンバーもいるという。「場づくりであり、機会づくり。もし辛い思いをしている人がいたら、ぜひ遊びにきてほしい」と村松さん。

 会場を提供する直田恵子さんは「センターの中で野菜を販売する様子を見て、外で販売する方が就労の練習になるのではないかと思い会場提供を申し出た」と話す。「近所の方も見に来てくれて、いい雰囲気になっている」とも。

 次回開催は10月11日・25日を予定。

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