中川に架かる本奥戸橋(葛飾区立石8)の護岸耐震補強工事現場に現在、「なかがわ わんこの輪」というボードが設置されており、中川沿いを散歩する犬の写真掲示が100匹を超えた。
中川護岸耐震補強工事に当たる「大豊・西武・古川建設共同企業体」が始めたもの。現場作業員が散歩に来た犬を写真撮影し、名前と一緒に掲示する。その合計が昨年12月末で102匹となった。
目的について、現場代理人兼監理技術者の三好浩司さんは、「工事への理解を深めてもらい、地元との距離を縮めるため」と話す。現場には、工事の内容を分かりやすく伝えるため、「中川の歴史」「地盤の液状化現象」「工事の進め方」などの情報も写真入りで貼り出している。その際、工事の情報ばかりだとつまらないのではと考え、犬を飼っている社員のアイデアで写真を貼り出したという。
当初は、写真をラミネート加工したものに手書きで名前を入れ、掲示板にランダムに貼り付けていた。しかし、写真が102枚となりスペースが手狭になったため、1枚のボードにまとめ直したという。現在も写真は増え続けており、ボード脇に追加されている。
中川沿いから東立石緑地公園(立石4)へ散歩をしていた愛犬・ナナちゃんの飼い主は、「うちの子はカッパを着て映っている」とほほ笑む。「その後、通り掛かった時にも、工事の人が犬の名前を覚えていてくれてうれしかった」とも。「あの子も、あの子もと、お友達の犬を探すのが楽しい」「犬を飼っていない人にも見てもらえるのが良いと思う」「通り掛かるたび新しく増えているので楽しい」との声も。立ち話のきっかけになるなど、「コミュニケーションの場所にもなっている」と三好さん。
同社では今後、A3版写真ポスターの配布も計画しているという。「工事が終了すると、河川敷に誰でも降りられるようになる。そこには植栽があったりベンチがあったりと、人が集える場所になる予定。それまで工事を少しでも理解をしてほしい。私たちも、つらい作業でも頑張れる」と三好さん。