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立石の洋菓子店閉店 最終日は大行列、シュークリーム1700個完売

最終日は2時間半待ちの大行列

最終日は2時間半待ちの大行列

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 立石にある老舗洋菓子店「カンパニュラ」(葛飾区立石7)が2月20日に閉店、23年の歴史に幕を閉じた。

1700個を売ったシュークリーム 表面のザラメも特徴的

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 最終日となる同日、店前には開店する朝10時前から、最後のスイーツを買い求める130人以上の客がいきなり列を作った。その後、小雨も降る中でも客は増え続け、15時ごろまで途切れることはなかった。結果、この日だけで通常の3倍の1700個を完売したという。

 オーナーパティシエは堀切出身で同所在住の霜山忠由さん(57歳)。21歳でこの世界に飛び込み、修業の後、立石で開業。クッキーやマドレーヌといった焼き菓子やデコレーションケーキなど多彩なスイーツも人気を集める中、同店の看板メニューとなったのは、時間ごとに焼き上げる、出来たてのシュークリーム。開業約5年後から既存商品をリニューアルし、外はサクサク、中はフワッという対照的な食感が楽しめるフランスパンをイメージして作り上げたという。

 「こだわったのはシュー皮の歯触り。焼き時間や温度、一度にオーブンで焼き上げる個数、オーブン内部で対流する熱風の風力など細かく工夫し、今の形に完成した」。大手新聞やテレビ番組「出没!アド街ック天国」(テレビ東京系)にも取り上げられ、「カンパニュラのシュークリーム」として一躍有名になった。

 閉店は、人手不足などの理由も重なり、やむなく決意。「閉めることを知ったたくさんの方々が『残念です』と直接言ってきてくれて、こんなにお店が愛されていることをあらためて知った」(霜山さん)。

 誕生日、結婚記念日、長寿のお祝い――店のスイーツはさまざまな人の、さまざまな記念日を祝ってきた。この日来た女性客の一人は、漢字検定に合格したという娘のためにケーキを買ったという。

 デコレーションケーキに入れる文字も書いている霜山さん。来店客の一人に頼まれた文字に驚いた。「『メッセージ、何にしますか?』と聞いたら、『カンパニュラ、ありがとう』って書いてくれって。その客は、最後にここで食べるケーキということで、感謝の意味も込めて、私にその文字を依頼してくれて」

 4月上旬をめどに、青砥駅徒歩1分の場所(青戸1)に、シュークリームとプリンを主力商品にした、新しい業態の店を立ち上げることを決めている。

 「カンパニュラ」はもともとキキョウ科の植物で、花言葉は「感謝」。次にオープン予定の店名は「カンパニュラ メディウム」。「メディウム」の意味は、「橋渡し」。

 「うちの商品が、お買い上げいただいたお客さまとそれをプレゼントされ受け取るお客さんの橋渡しでありたい」。霜山さんは、閉店後の店内で力強く語った。

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