葛飾葛西神社で「酉の市」始まる-地元青戸の熊手商店などが出店

購入後、家内安全や商売繁盛を祈って三本締めを行う風景。神社内で多く見受けられた。

購入後、家内安全や商売繁盛を祈って三本締めを行う風景。神社内で多く見受けられた。

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 葛西神社(葛飾区東金町6)で11月5日、「酉(とり)の市」が行われた。

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 酉の市といえば浅草の鷲(おおとり)神社が有名だが、葛飾の葛西神社でも同イベントは80年以上の歴史を誇る。この日も朝から参拝客が集まり、熊手を店から買い求めていた。

 熊手は3寸1,600円から、大きな特注品になると5万円程度のものまであり、中心価格は10,000円から15,000円程度。商売繁盛だけでなく家内安全などの思いを、購入したその場で店のスタッフが書き込む。

 熊手を購入した高鹿さん(埼玉県三郷市在住)は「20年以上ここで熊手を購入している。熊手のおかめの面を毎年集めるのが楽しみ。居間に置いていると華やかな気分になる」と熊手購入の理由を話す。

 父の代から熊手店を営んでいる石井博さんは「葛飾は川に囲まれた水郷の地域としても有名。そのため農家が多く、秋が過ぎるとしめ縄や熊手を作る人が多かった」と話す。現在の葛飾区青戸地域に熊手職人が多いのもその理由からで、浅草の鷲神社の酉の市で飾られているのも青戸の職人が作るものが多いと言う。

 今年は三の酉まであり、客足は例年に比べて少ない模様。「以前に比べて熊手を買い求めるという文化がなくなり、若い人が買い求める姿を見なくなった。近年では製造まで行える店が少なくなり、酉の市にやってくる常連客のために開けている店も多い。客足は減ってしまったが、毎年やって来る常連客の顔を見ると和む」(同)とここ数年の酉の市事情を話す。

 同神社では、区の無形文化財である葛西囃子の演奏も行われた。今年は二の酉が今月17日、三の酉が同29日に行われる。開催時間は8時~23時。

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