タカラトミー(葛飾区立石5)が販売する「オムニボット・ワンセブンミュー・アイソボット」が12月18日、経済産業省の「今年のロボット」大賞を受賞した。
同商品は昨年10月に販売を開始。身長は16.5センチで2008年度版のギネス世界記録で「世界最小の量産されている人型ロボット」に認定された商品。全身17カ所に独自開発のサーボモーターセットや、バランス感覚を保つためにジャイロセンサーなどを搭載している。
同商品は付属のリモコンや音声認識によって作動し、約200種類の行動パターンと90種類の効果音、5種類の音楽を奏でることが可能。また、コミュニケーションを重視した同商品は、数分放っておくと「ふて寝」してスリープ機能に移行するユニークな機能も搭載。国内外で現在までに5万台が販売されている。
同社はトミー時代からロボットの開発を行っており、その歴史は25年以上に及ぶ。80年代当初には「オムニボット」というセンサーや録音機能の付いたロボットを発表し人気を博した。同商品の開発経緯を開発担当者の斉藤さんは「4年ほど前から開発がスタートしていたが、コストの問題で一時期お蔵入りした時期があった。タカラとトミーが合併したときに『世の中にあっと言わせることがしたい』という企画から復活し、製品化に至った。トミー時代からのさまざまな人たちの夢がこの製品を生んだと思っている」と開発エピソードを開かす。
同商品は工業用のロボットなどと異なり、強化プラスチック素材を使うなど安全面を重視した。「工業用ロボットと異なり、我々が目指したのは子どもと遊ぶコミュニケーション型の二足歩行型ロボット。『ロボットが家にやってきた』というコンセプト。家で遊べて安全なものを作るのが前提だった」(同)と話す。
ハード面だけでなく、ひょうきんなアクションなど飽きない動作を増やしたのも玩具メーカーならではのこだわり。「日本の子どもたちがアニメーションで想像しているので、友だちという感覚が強い。私のような女性でも親しみをもって遊べるようなロボットになったのが今回話題になっている理由なのでは」と広報課の山田さん。
今後の目指すロボット像について、斉藤さんは「高性能・利便性の高さというよりも玩具メーカーらしい『楽しく・手軽』なものを開発していきたい。子どもたちだけでなく、大人たちもワクワクするようなエンターテインメントとしてのロボットをもっと増やしていきたい」と話す。