葛飾の農家で精粟の収穫祭「抜穂祭」-秋の収穫喜ぶ

収穫された精粟を持つ、稲増さんの孫たち(葛飾区提供)

収穫された精粟を持つ、稲増さんの孫たち(葛飾区提供)

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 葛飾区水元で農業を営む稲増攻(いさお)さん所有の農地(葛飾区東水元4)で9月27日、精粟の収穫祭「抜穂祭(ぬいぼさい)」の儀式が行われた。

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 同祭は、7月に御播種(はしゅ)祭で種をまかれ育成された精粟(しらげあわ)を収穫し、11月23日に宮中で執り行われる新嘗祭(にいなめさい)に献上される。育成した精粟は3カ所に分けられ、それぞれ2アールずつ育成。稲増さんは3カ所に分けた理由を「天候や育成状況によって生育が異なる。さまざまな状況を想定して分けて育成していった」と話す。

 当日は晴天に恵まれ、関係者や稲増さん一家をはじめ多くの列席者が集まる中、地元神社によるおはらいが行われた。その後、厳粛な雰囲気の中、大量に稲に実った粟の穂を抜く儀式が行われた。儀式は1時間ほどで終了し、長男の明彦さんは「普段は感じることのない緊張があった」と、ホッと肩をなで下ろした。

 稲増さん一家は主に小松菜や枝豆・ブロッコリーなどを栽培しており、粟の栽培は初めての体験だった。攻さんは「初めてのことだが失敗もできない。栽培に当たっては多くの人の意見を聞いたり、自分で勉強も行ったりもした。夏の猛暑などもあったが、順調に育って何よりだった」と振り返る。

 今後は新嘗祭のほか、稲増さんが献上した精粟は伊勢神宮にも奉納される。「(式年遷宮のある)記念すべき年に奉納されるのはうれしい」(攻さん)とも。

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