堀切菖蒲園(葛飾区堀切2)で3月初旬、冬の風物詩「菰(こも)」や「雪つり」などが取り外され、園内の梅が見頃を迎えている。
同園の面積は約7700平方メートルで、約200種・6000株のハナショウブが咲く区内屈指の観光スポット。区内外だけでなく外国人観光客も多く、毎年6月に開かれる「葛飾菖蒲まつり」開催期間中、多い日には1日1万人の人出がある。
同作業は毎年、春になり冬ごもりをしていた虫たちが動き出すという二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」のころに行われる。今年は今月5日、冬の間、樹木の防寒対策で施した「菰」「藁(わら)立て」、冬の景観を楽しむのを目的に取り付ける「雪つり」が外された。
当日は公園課の職員が園内にある3 本の黒松の雪づり、黒松やソメイヨシノ、ソテツなどの菰、ボタンの花壇に施された藁立てを撤去。樹木の幹から菰を外すと、まだ冬眠中の毛虫やダンゴムシ、ニホンヤモリなどが姿を現した。
園内の紅梅・白梅は共に見頃。ショウブ田では「大紫」をはじめ、全体の3分の1ほどのハナショウブに新芽が見られた。管理をする葛飾区公園課の松井さんは「例年は2月の下旬には新芽が出るのだが、今年は少し遅め」と話す。
ショウブ田には4月中旬から水張りが行われる。天候にもよるが、ハナショウブは6月中旬ごろ見頃を迎えるそう。「新芽の状態は良好なので、今年も時季には美しいハナショウブを楽しんでほしい」とも。