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柴又でフランス人アーティストの個展-読み芝居イベントも

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 柴又のギャラリー「Atelier485」(葛飾区柴又4)で4月29日より、フランス人アーティスト、ステファン・ルルーさんのインスタレーション展が行われる。

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 ステファンさんは1974年フランス・ノルマンディー生まれ。フランスの美術大学を卒業後、パリで日本人とアトリエをシェアした経験などから日本に興味を持ち、2001年に初来日。その後、いったんはパリに戻り作家活動を行うが、2005年に再来日。現在、柴又を拠点に、同アトリエのオーナーと美術教師を務めながら、アーティスト活動を行っている。

 展示作品は、全てステファンさんが日本に来てから創作したもの。来日後に、見て、触れたさまざまなものから影響を受け、作品にしたいと構想していたという。特に来日してまだ日の浅いころに出合った畳からは、長方形が組み合わさる形に大きなインスピレーションを得たという。

 作品は全て、水貼りしたパネルに5センチ四方の正方形を描き連ねたもの。墨と金の顔料のみを使い、一つ一つ描いたという。2曲1双のびょうぶ作品で2200個ある。正方形一つずつの間の余白を大事にし、「余白があるからこそ広がりにつながる」と考える。

 入り口付近に12枚のパネルを使い、中心が空白を残し畳のように組まれた2メートル四方の作品を展示。その先にはびょうぶ作品で小部屋が作られ、最後に満月を模した作品と金魚鉢に墨汁を満たした黒い球体が向かい合う。谷崎潤一郎の「陰影礼賛」から光にもこだわりを持ち、可能な限り光量は落とす予定。「光を落とすことで金が浮き上がって見え作品になる」と妻の阿久津千尋さん。空間全体で「虚無・輪廻(りんね)・環」といったイメージを表現するが、ステファンさんは「その人自身の感覚で楽しんで感じてほしい」と話す。

 同展に先駆け、27日には読み芝居のイベントも開催。ゲストに赤星昇一郎さんを迎え、ステファンさんのびょうぶ作品の前で大正時代の作家・小川未明の「赤い蝋燭(ろうそく)と人魚」を上演する。イベント開催のきっかけについて、阿久津さんは「2人で赤星さんの舞台を見た時、目力や言葉の力強さを感じ、ステファンの作品ととても合うと直感し、お願いした」と話す。

 開廊時間は10時~18時。月曜不定休。入場無料。27日の読み芝居イベントは13時開演。入場料1,500円。5月25日まで。

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