テクノプラザかつしか(葛飾区青戸7)で6月20日、「2014FIFAワールドカップブラジル大会」日本対ギリシャ戦のパブリックビューイングが行われた。
開催のきっかけは、同所を管理する指定管理者団体の発案。葛飾区に打診したところ「区としてもキャプテン翼を通してアピールしたい」と前向きな回答が得られ、急いで準備に取り掛かったという。館長の山口淑子さんは「放映権などの問題もあったが、この街でサッカーを応援する意義があると思い開催した。この気持ちが選手に通じれば」と期待を込める。入場時に配られた「必勝」と書かれた手旗も職員の手作りで、「朝早くからみんな応援に来てくれるから」と館内レストランでは朝4時からおにぎりを用意した。
開場の6時30分には既に老客男女問わず70~80人が訪れ、一番乗りの観客は5時から並んだという。会場ではキックオフまでの時間、吉本興業の芸人4組が盛り上げ、途中、来賓の副区長の紹介などが行われた。
6時53分過ぎ、国歌斉唱からスクリーン投影開始。キックオフを前に用意された200席がほぼ埋まり、追加で椅子を用意。7時のキックオフでひときわ大きな歓声が上がった。食い入るようにスクリーンを見守る観客の中には、日本代表のユニホームの他に、南葛SCのサポーターTシャツを着ている人もいた。中には「前半だけでも」とハーフタイムまで応援する小学生の姿も。
区のこのような取り組みに対し、亀有在住の渡邊大介さんは「会社を休んで観戦に来た。キャプテン翼の街でこのようなパブリックビューイングはとても良いと思う。今後の試合にもぜひ行ってもらいたい」と話し、北区から観戦に来た佐藤寿代さんは「4時起きで来た。まだ少し空席があるので、もっと『サッカーの街』として盛り上がってほしい」と期待を寄せた。
前半20分の大迫選手のシュートや、前半27分に大久保選手が倒されフリーキック獲得した時など、立ち上がる観客も。また前半37分、ギリシャ・カツラニス選手が退場となった場面では、よしもと芸人を筆頭に会場は一段と盛り上がった。何度か惜しいシーンがあったものの、前半終了。会場もいまひとつ煮え切らない雰囲気を残した。
後半も日本代表の高いボール保持率があるものの膠着(こうちゃく)状態が続き、観客は一喜一憂しながらもスクリーンに食いつく。後半15分過ぎ、大迫選手に替わり香川選手がピッチに立つと、「頼むぞ!」などと声も上がった。しかし、試合はもう一歩の場面が続き、天を仰ぐ観客の姿も。後半40分、よしもと芸人を筆頭にニッポンコールが沸き起こり、会場がいま一度一つに。4分のアディショナルタイムに必勝の小旗を握り締め、スクリーンを見つめる女性サポーターの姿も。
8時53分、0対0で試合終了。ホイッスルが鳴った瞬間「ああー」という落胆の声が会場中に響いた。荒川区在住の堀越伸子さんは「前半ギリシャにレッドカードが出て、有利になったのに残念。クロスばかりが上がり、中に入れてドリブルで決めるシーンが少なかった。次こそ勝って奇跡を起こしてほしい」とエールを送った。