市民活動支援センター(葛飾区立石3)で7月14日、「本を通じて人と出会い、本を通じて行動を起こす読書会」が開かれた。
今年1月に始まった同会は今回で7回目。参加者は20~30代の社会人を中心に、毎回10人前後が集う。ファシリテーターを国際自然大学校日光霧降校マネジャーや、区立日光林間学園統括責任者の金井聡さんが務め、体験教育やフロー教育の仕組みを取り入れているのが特徴。本を持ち寄って感想を述べるだけではなく、マインドマップやフォトリーディングなどの技法を用い、参加者が自己を発見し具体的な行動へと促す。
今回のテーマは「平和」。持参してきた本の紹介を通して「自分にとっての平和」をプレゼンテーション。その後、抽象的なイラストが描かれた「しるらないカード」から気になるものを直感で選び、選んだ理由を発表する。カードを使う意味として金井さんは「まだ自分でも気付かないような深層心理にあるモヤモヤとした思いにアクセスすることができる」と話す。この段階で出た疑問や引っかかりの答えを探す作業がフォトリーディングとなり、会場の本から好きな物を選び、解決策となるような「トリガーフレーズ」を見つけ出していく。一連の作業を通し、「自分にとっての平和とは何か」という問いに向き合い答えを出して「平和のために自分ができること」を行動に移すことを目的とする。
同会を始めた理由について、「普段は山登りなどの体験から学びを提供している。だが都会に住む人にとってはハードルが高い。身近にある本を使った体験学習なら受け入れやすいのでは」と金井さん。共に会を運営する渡辺舞さんは、会の魅力について、「普段はなかなか本音で話せないという人でも、本が媒介になることで心の壁が取り払われ自分の価値観を伝えやすくなる。それにより自己確認ができたり、承認欲求が満たされたりする」と話す。「仕事の肩書から離れた一人の人間として誰かと向き合えるコミュニティーとしても活用していきたい」とも。
参加者の一人、深町いずみさんは「常に新しい発見があるので何度も参加している。休憩中に、みんなで持参したお菓子を食べながら談笑するのも楽しみ」と感想を話す。