水元の自家焙煎(ばいせん)コーヒー豆専門店「コーヒーの木」(葛飾区水元3)で1月24日、赤く色づいたコーヒーの実を収穫する「一粒収穫祭」が行われた。
世界的なコーヒー品評会「カップ・オブ・エクセレンス(COE)」で上位入賞した豆を自家焙煎(ばいせん)し、販売する同店。同企画は12年前のオープン当初、店主の杉山黎(れい)さんが来店客に進呈した苗木が成長し、同店に里帰りしたことから企画した。来店客に1粒ずつコーヒーの実を収穫してもらうというもの。
10時のオープンと当時に店内が満員となる盛況ぶりで、スタッフの石川愛さんも開店から2時間、常に店内を飛び回っていた。女性客が多く、店内は狭いながらも互いに椅子を譲り合う姿も。石川さんが来店客に収穫した実の皮を?(む)いて中身を食べるよう勧めると、来店者は収穫した実を口に含み、想像していたコーヒーの味と違うことに驚きを見せた。
来店した鮫島裕子さん(75)は、同店から進呈された苗木を約10年間育てて自宅で収穫。その豆は同店の厚意で焙煎してもらい、コーヒーを実際に飲んだという。収穫量は164粒でコーヒー2杯分。バラのような香りで、味はフルーティーだったそう。また別の来店客は、ひと月ほど前に知人への土産を購入するため入店したところ、「子どもを連れていても入りやすい」「スタッフが優しい」ことから同店のリピーターになったという。
同日は、COEで「レイト・ハーベスト(豆の自然乾燥方式)」第1位を獲得した「ノッサ・セニョーラ・アパレシーダ」のコーヒーを無料で振る舞うサービスもあった。同豆は買い付けが非常に困難で、関東では同店を含む2店のみの取り扱いとなっている。また、コーヒーの実で作られたジャムの試食も行われ、試食した3歳の女の子が「チョコレート味」と笑顔を見せた。