柴又帝釈天(=題経寺、葛飾区柴又7)で4月4日・5日、「いのりんぴっく~花まつりdeえんむすび~」が開催された。主催は日蓮宗東京都東部宗務所・伝道センター。
僧侶や寺院が取り組んでいるさまざまな社会活動を紹介する同イベントは、全国規模で行われている。同団体では毎年、帝釈天で「花まつり」(釈迦の誕生日を祝う祭り)に合わせて開き、今年で10回目を迎える。
来場者とお寺をつなげるという趣旨から「花まつりdeえんむすび」と題し、日蓮宗東京東部の僧侶およそ30人が参加。「いのちに合掌!」を合言葉に、花見や観光客も楽しめる催しを展開した。
「お坊さんカフェ」では僧侶による甘茶の接待や「飲み物と東北三県の銘菓セット」がメニューとして用意され、料金は東北支援の寄付になるという。さらに東日本大震災復興支援の一環として、各地の寺院・檀信徒による名産品を集めた物産展や、被災地の女川からはサンマのつみれ汁が振る舞われ、花曇りで震える寒さの中「やさしい味で心身ともに温まる」と来場者から好評を博した。
ステージでは、法話「いのちの大切さを伝えよう」のほか、僧侶が女性や子ども役に扮して劇を行った。金町消防署によるAED講習では「救急隊到着時間は平均7分といわれている。その間、居合わせた人が応急手当を行うことで救命の可能性が高くなる」と協力を呼びかけ使い方を説明した。
ほかにも、プロリコーダー奏者による演奏や大道芸、ジャグリングなどのアトラクションも行われた。岩手から出店参加している菊池翼くん(10)は、学校の「ふるさと学習」で暗記した遠野物語を遠野弁で披露し市のPRに一翼を担っていた。
来場者アンケートに記入した人にはくじ引きで、参道商店街で使える商品券やプレゼントが用意されるなど、地域一体となって同時開催の「柴又さくらまつり」と共に2日間にわたって多くの人出でにぎわった。
同祭典担当の観妙寺・渡辺さんは「楽しみながら僧侶・寺院を身近に感じる機会になれば」と話していた。