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姉の遺志継ぎお地蔵さんの世話続ける女性 心無い人へ

お地蔵さんと恵子さん

お地蔵さんと恵子さん

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 堀切菖蒲園近くにあるお地蔵さん「満願地蔵尊」(葛飾区堀切3)の世話人の一人・小室恵子さんが花やさい銭を盗らないよう呼び掛けている。

願いをかなえる呪文

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 堀切菖蒲園駅から歩いて3分ほどの場所にある「満願地蔵尊」。「地蔵菩薩(ぼさつ)」の名で近隣に親しまれているこのお地蔵さんから近年、さい銭や供えたばかりの花を盗んでいく心無い人が後を絶たないという。

 恵子さんがお地蔵さんの世話を始めたのは、それまで約50年間世話し続けてきた姉が亡くなった3年前。その遺志を継ぎ、1週間おきに来ては花を供え、掃除をしているという。「姉が亡くなる前からお地蔵さんの世話は、暗黙の了解で私がやることが決まっていた」と振り返る。

 恵子さんは始めた当初から、時節ごとに合わせたメッセージを書いてはお地蔵さんを囲ってある木の壁に貼り、ここにお参りに立ち寄るであろう人々と見えないコミュニケーションを図ってきた。「まあ簡単な一文ですけどね。冬だったら『鍋がおいしいよ』『風邪をひかないよう』とか思いついくままに書きとめる」。

 恵子さんの他にも世話人は数人おり、例えば頭にかぶせる帽子が古くなれば編み直している人、季節に合わせて着させる服を変えている人など、顔も名前も知らない同士が、それぞれ役割を分担してお地蔵さんを守っている。

 恵子さんの体の調子が悪く、しばらく行けないときは前もって、「風邪引いて来られなくてごめんね。どなたか花入れて」という文を書いて別の有志に頼むのだとか。

 最近、お参りに来る人々が投げ入れたおさい銭を盗んだり、供えた花をバケツごと持っていってしまったりする人が増え、苦慮している。「昔は『おさい銭とらないで』なんて書いた事が無いんだけど、それも効果がなくて」と困惑気味。恵子さんの悩める日々は続く。

 どんなご利益があるのかを恵子さんに聞いてみた。「青信号が続くとか、ホームにちょうど電車が来るとか、仕事がちょうど入るとか、良いタイミングをもたらしてくれるのよ」

 いつ建てられたのか分からないというこのお地蔵さん。地元・堀切の隠れたシンボルとして人々を見守っている。

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