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本当においしいそばを求めて 立石の玄庵でそば打ち体験

一打入魂、一切入魂

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 4月18日、玄庵(東立石3)で区内在住55歳以上を対象に「初心者手打ちそば 一日体験教室」が開催された。主催はNPO法人葛飾アクティブ.COM。

「本当のそばを食べてほしい」と語る貝塚隆雄さん(82)

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 同店は言わずと知れた立石の有名店。テレビ東京「出没!アド街ック天国」でも「ジャズが流れる手打ちそば店」と紹介された。ここで年に5回企画されている同講座は、申し込みが定員を超え抽選になることもあるほどの人気で、今回は55~74歳の25人が受講。うち13人が初心者で、自家製粉のそば粉を使い「そば打ちの基本」を学んだ。

 そば粉は、独特の香り・風味・甘みの強い「常陸秋そば」と、香り・甘みに加え粘りの強い「奈川在来種」を使用。そば粉8割つなぎ2割の二八そばを1人で500グラム(5人分)打つ。講師による見本打ちを見て手順をしっかり頭にたたき込んだ後、「水回し、練り、四つ出し、本伸ばし、切り」の工程をおよそ2時間かけて本格的なそば打ち台で実践。「前に転がす時は手をパーにして」など細やかな指導の下、真剣なまなざしで全身の力を込め丹念に仕上げていく。

 出来上がったそばは、一部その場で試食。本節のみを使用しうまみが凝縮された同店こだわりのつゆに薬味は大根おろしと湯がいたネギで、ひきたて、打ちたて、ゆでたての「三立てそば」を味わった。南沢元行さん(55)は「お店にはよく食べに来ているが、自分で打ったそばを食べながらビールを飲むのは格別。ぜひまたリベンジしたい」と意欲を示す。

 同店師範の貝塚隆雄さん(82)は、そば業界に新風を吹き込もうと20年程前に「江戸東京そばの会」を設立。運営する手打ちそば教室プロコースの卒業生は600人を超え、うち開業したのはおよそ200軒。宿泊施設完備で日本中から受講者が来て修業するほか、5日、10日間のインストラクターコースもあるという。貝塚さんは「本当においしいおそばを食べたければ、自分で打つしかない」とそばに対するこだわりや豊富な知識を惜しみなく語り、そば好きの受講者は話に耳をそばだてていた。また健康の秘訣(ひけつ)として「そばは栄養価が高く体にも良いので、そば湯を飲むと風邪もひかない、金も貯(た)まる」とも。

 残りのそばは「自分が打ったそばをぜひご家族に振る舞ってあげてください」と土産として持ち帰りとなった。

 同講座は今後も、かつしか広報の奇数月25日号で募集予定。

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