柴又帝釈天(=題経寺、葛飾区柴又7)で5月9日、「帝釈天薪能」が開催される。主催は帝釈天薪能振興会。
二天門をくぐり正面帝釈堂に向かって右側にある本堂前に舞台設置予定
薪能は、夕暮れ野外に設置された舞台の周辺にかがり火をたきその中で演じる能のこと。能・狂言が同寺で披露されるのは初めて。三方に枝を広げる樹齢数百年の瑞龍松(ずいりゅうまつ)を背景に、特設の能舞台が暗夜に浮かび上がり幽玄の世界へと誘う。本堂(祖師堂)前に設置される舞台両脇の厳かなたき火とともに、森閑とした境内に鼓の音が響く。舞台と観客の一体感が増し、臨場感あふれる座席約1200席を用意する。
人間国宝、梅若玄祥さん、宝生閑さん、野村万作さん、映画や現代劇、NHK子ども向け番組「にほんごであそぼ」レギュラー出演など幅広く活躍する野村萬斎さんらの出演者が豪華な彩の舞を繰り広げる。
演目は、狂言は軽妙な掛け合いと立ち振る舞いで独特なおかしみがあふれる「舟渡聟(ふなわたしむこ)」と、能は激しい動きの中で「釈尊からてんぐへの早変わり」が見どころの帝釈天ゆかりの大法会「大会(だいえ)」。
同寺広報担当の須山さんは「能や狂言は見る場が限られてしまい今まで敷居が高いと感じていた方も、薪能なら気軽なイベント感覚で参加できる。伝統芸能の世界をより親しんでもらおうと、上演前に行う出演者による演目解説(プレトーク『大会』こぼれ話)も希少な見どころの一つ」と話す。「歴史と文化薫る柴又から、能・狂言の幽玄な世界を通じて日本の伝統文化に触れる機会に貢献できれば」とも。
17時開場、18時開演。チケットは、指定SS席=1万2,000円、自由S席=1万円、同A席=8,000円、同B席=5,000円。かつしかシンフォニーヒルズ、かめありリリオホールなどのプレイガイドで扱う。ほかに立ち見あり(有料、当日受け付け)。未就学児の入場は不可。雨天代替会場は「かつしかシンフォニーヒルズ(モーツアルトホール)」。