荒川河川敷の堀切水辺公園(葛飾区堀切1)を灯明で彩るイベント「葛飾灯明」のテスト点灯が4月28日に行われ、美しい光景が広がった。
葛飾灯明実行委員会の代表を務める江口昭蔵さんは、博多灯明師の尾方さんから学んだノウハウを生かし、葛飾で灯明を広めていきたいとの思いで2014(平成26)年から葛飾灯明を開催。同時に、子どもたちに火の扱い方なども指導している。同イベントは8回目。
本番は翌29日だったが、雨のため中止に。開催前日のテスト点灯のみとなった。テスト点灯について、江口さんは「本番は雨の影響で中止になりとても残念。地域の子どもたちが作った灯明や寄付を頂いた方たちへの感謝の気持ちで前日に1時間だけ点灯した」と話す。
葛飾灯明は、江口さんをはじめボランティアスタッフが1カ月前から、河川敷の開催場所を選び、草を刈り、整地を行い、ようやく灯明を並べる準備が整う。さまざまな色の灯明が並べられ、河川敷を照らす様子は幻想的で、荒川の向こう岸には東京スカイツリーの明かりもともり、撮影する人の姿も多く見られた。テスト点灯では約3400個のキャンドルライトを用い、和の模様が灯明で描かれた。
今回の灯明のテーマは「結ぶ」。江口さんは「世界的な疫病により、人々の生活は急変し、交流の仕方も変わった。『地域の中で絆を結ぶ』ことが、災害時に多くの人を救う強い力になると感じている。灯明づくりは園児でも年配者でもきることなので、さまざまな世代の方に参加してもらうなかで、地域の人と人との結びつきが一層強くなれば」と期待を込める。
今後については、「河川敷だけではなく、学校イベントとしてグラウンドを使い、保護者と生徒さんとの思い出作りとして灯明を点灯したり、地元企業などと連携し規模を大きくして開催できれば」と話す。