亀有の総合格闘技道場「和術慧舟會TLIVE(トライブ)」(葛飾区亀有1、TEL 03-3690-4181)所属の下山大介さんが4月4日、プロデビュー戦に挑む。
下山さんは足立区の出身で現在25歳。昼間は建設会社に勤務し、夜は同道場で練習を行っている。下山さんは中学校時代から地元の暴走族に属していた経緯があり、「元暴走族のプロ格闘家」として地元で人気になっている。暴走族時代について、「みんなが思うほど悪いイメージはなかった。犯罪もやっていないし、仲間と一緒にいた思い出が多い。ただ、その当時は自分が何をしようとか目標もなかった」(下山さん)と振り返る。
下山さんが総合格闘技に出会ったのは4年前。現在通っている同道場の見学に来たのがきっかけ。「もともと格闘技などを見ることは好きで興味があった。ふと気になって練習している姿に興味を持った」と下山さん。下山さんと同道場のマネジャー大久保貴弘さんが暴走族時代の先輩・後輩の関係もあり、ほどなく下山さんが入会。当初の印象について、大久保さんは「ヒゲが伸びていて泥棒が道場をのぞき込んでいる印象を受けた」と笑う。現在、下山さんの試合用のトランクスに書いてある「盗っ人」「DORO」というネーミングは、そうしたエピソードからくるあだ名。下山さんは泥棒というあだ名について、「とても気に入っている。みんなにドロと呼ばれている」と話す。
総合格闘技について、下山さんは「路上でけんかする経験もあったが、格闘技は別のもの。けんかよりも試合に負ける方が悔しい」と話し、4年間続けプロで活躍する原動力については、「柔道や空手などさまざまな経験を積んできた人間とも試合ができる。強い相手と試合をして成長していくのが楽しい」と話す。
昨年12月に昇格トーナメントに優勝し、プロ資格を獲得。現在は4日にディファ有明(江東区)で行われる「パンクラス2010パッションツアー」の出場に向けて最終調整を行っている。試合について、「優勝を目指すのはもちろんだが、まずは目の前の相手を倒していきたい。今後もさまざまな相手と戦っていきたい。自分が活躍することで道場や格闘家を目指す人間が増えてくれれば」とも。