サッカー日本代表は6月25日、サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会E組の試合で、デンマークを3-1で下し、2大会ぶりに決勝トーナメント進出を決めた。
亀有では当日の応援に備えて早めの帰宅客が多く、飲食店はおおむね閑散としていた。日本代表が2点の先制を決めた午前4時ごろ、終電後の乗降客を狙う60代のタクシー運転手も「予想通り。代表戦などがあると帰宅客が多く、商売としては成り立たない。明け方に始発で帰ってくる会社員などを狙うしかない」と日本代表の勝利を期待しながらも苦笑いで応えた。
亀有駅前のコンビニエンスストアも通常であれば数人の利用客がいるが、ほとんどまばら。早朝勤務の50代の女性は「店舗では試合の状況を知ることができない。通常よりも来店客が少ない」と話し、現在の試合状況(前半終了2-0)を聞くと「日本全体が応援しているのだと思う。自分も仕事をしながらだが、気持ちは応援したい」とエールを送る。
当日は有志が集まって亀有の飲食店でも応援イベントが行われた。亀有駅北口のバー「13'sbar(サーティーンズ・バー)」(葛飾区亀有5、TEL 03-3629-7485)では、常連客などを集めてテレビ観戦などを行っていた。
店内には営業が終了した飲食店の従業員や同店の常連など10人程度が集まり、ゲームの展開を注視。ゲームは日本優勢で運び、ゲームの展開の度に大きな声援が上がるなど「今までにない展開。明け方にもかかわらず多くの人が集まり、非常に楽しい」(オーナーの中村さん)と興奮ぎみに話す。
試合は終始日本ペースで行われ、途中後半でデンマークに1点巻き返されるものの、日本が3-1で勝利。勝利の瞬間、会場は2大会以来の決勝トーナメント進出に歓声が沸き上がった。 「自称・亀有一の代表サポーター」のすし店経営・岡部正郎さんは「日本代表を信じて応援をしている。(本大会前の酷評については)誰もが言うこと。日本代表はそのおかげで試合に集中できたと思う。決勝トーナメントでは世界の強豪と胸を張って挑んでほしい」と話す。勝利の興奮が冷めやらない様子で、「自店でも勝利を記念して何かサービスを行ないたい。ぜひ日本代表の勝利を一緒に分かち合いたい」と企画を考えているという。
今回場所を提供した中村さんは「やはり1人で応援していてもつまらない。大勢で応援したほうが楽しい。次回の29日の試合でもみんなで応援できるような仕組みを考えたい。商売というわけでなく、日本代表と一緒に盛り上がれれば」と話す。