亀有の銭湯「第一日立湯」（葛飾区亀有5）で12月14日、フルートとオカリナによるクリスマスコンサートが行われた。

第一日立湯 外観

　70歳以上の高齢者が区内の公衆浴場を1回230円で入浴できる「くつろぎ入浴事業」PRの一環。この日は、同銭湯の男性脱衣所に設けた簡易ステージでクリスマスソングなどを約1時間演奏し、13人が集まった。

　出演した「SACHI & MIWA」は、ヤマハ音楽教室で講師を務める田中佐知子さんと、鹿島美和さんのユニット。教室が隣同士だったことがきっかけで仲良くなり、飲み会で盛り上がり、4年程前にユニットを結成したという。田中さんがフルートとオカリナ、鹿島さんがキーボードを担当。当日は銭湯の煙突からやって来たかのように、サンタクロース姿で登場した。

　コンセプトは「聞く人がかしこまらずに自然に楽しめる曲」。季節柄、クリスマスソングをはじめ、童謡やクラシックなど全13曲を披露した。クラッシックは、より親しみやすいようにとジャズ風にアレンジ。客席では、肩を揺らしてリズムをとる人も。

　童謡は「一緒に歌いたい」との声を受け、歌詞カードも用意。童謡の柔らかさをより表現するため、田中さんはフルートから素朴で懐かしい音色のオカリナに変更。観客を巻き込み会場全体で歌う場面も。

　最前列の席で鑑賞した森うた子さんと川谷内祐子さんは「全部知っている曲で懐かしい。普段もカラオケなどで歌うのが好きなので、近くで生演奏が聴けて満足。フルートの音もとても素晴らしい」と話し、次回のコンサートにも期待を寄せる。

　区高齢者支援課の阿保久恵さんは「普段なかなか銭湯に来ない人にも知ってもらうきっかけになる。いろいろな世代の人に来てもらいたい。銭湯を昔から利用している人にも新たな楽しみ方として、今後も周知活動を続けたい」と話す。