クラウドソーシングサービスを手掛ける「ランサーズ」が3月26日、「Lancer of the Year 2015(ランサー オブ ザ イヤー2015)-新しい働き方大賞-」を発表し、葛飾区在住のライター・三河賢文さん(31)が「ベテランサー賞」を受賞した。
クラウドソーシングは、クライアントがインターネットを通じて不特定多数の人に仕事を委託するサービス。仕事内容はネーミングやキャッチコピーの作成、取材、撮影、コンサルティングと幅広く、プロだけでなく、未経験者も採用される機会があるのが特徴。
クラウドソーシング市場は現在、約200社が参入し、市場規模は推定取引総額200億円以上とも言われており、「ランサーズ」はその先駆けとして2008年に誕生、現在会員登録数43万人を有する日本最大級のサイトという。
三河さんがランサーズに登録したのは2010年。大学生時代から続けていたライター業や卒業後に就いた医療系会社の営業といったキャリアを生かしたいと、独立後の道を模索していた頃に知ったという。
「当時は登録者数も少なかったが、出した提案が簡単に承認されることはなかった。でもあきらめずに、クライアントに公開しているプロフィルや、提案の仕方などを変えるなど細かい工夫をしていった。初めて仕事が成立したときは、喜びより、ネットで対価が得られることの驚きのほうが大きかった」と語る。
以来5年間、IT企業の広報誌や輸出販売会社のホームページ編集、開業医のコンサルティング会社のサイト作成など数多くの案件を手掛けてきたという。今回、クライアントからの高い支持や報酬額、長期にわたって仕事する姿勢が評価され、大賞の「ベテランサー賞」を受賞した。
受賞式には三河さんのほか、育児をしながらランサーとして活躍する女性を選ぶ「ママランサー賞」や同じく育児をしながらランサーとして活躍している男性を対象とする「パパランサー賞」、地方の新しい働き方やビジネスのあり方を生み出して活躍する「地域を元気にするランサー賞」受賞者など6人が登壇。
「6人の方々とは今も情報交換をしている。いずれ仕事でのコラボレーションができればと考えている」と三河さん。各賞受賞者はいずれも京都、大阪、福岡、沖縄など、東京都外の在住者。
三河さんは「選出しているほうは意識していないとは思うが、ビジネス色の薄いと言われる葛飾に住んでいる私を選んでいただけて、純粋にうれしい。葛飾は個人的には住みやすく、都心へのアクセスも良い。川など自然も多く、子育てもしやすい落ち着いた環境の中で、もっとクリエイターが増えてくれればいいなと思う。今後として、コワーキングスペースやシェアオフィスといった場を創り上げていければ」と夢を膨らませる。