エイトホール(葛飾区高砂1)で5月17日、「第39回わんぱく相撲葛飾区大会」が開催された。
「わんぱく相撲」は、遊び場の少ない東京の子供たちにスポーツの機会をより多く与え、心身を健全に育成することを目的に、1977(昭和52)年に社団法人東京青年会議所が23区全域に展開したことに始まる。
現在では国内200を超える地域で予選大会が行われ、小学4~6年生は勝ち上がると最終予選大会へ進み、さらに男子の部で都道府県代表に選ばれると両国国技館の大相撲と同じ土俵の上で、各学年のトーナメント形式の取組が行われる。「小学生対象の最大規模の相撲大会」として全国的に普及している。
当日は地区予選の他、幼児や小学1~3年生の取組や小学校対抗戦も行われ、昨年度を上回る400人を超える「かつしかっ子」の熱気にあふれた。今年はおよそ半数が再参加で、低学年の参加者が増えたという。
時代が大きく変化する中で開催され続けている「わんぱく相撲」の魅力について、同大会副会長の眞鍋亜希子さんは「相撲はルールが簡単で道具も必要ない。立ち向かう勇気さえあれば誰でも挑戦できる。また、勝者がガッツポーズをし、歓声を上げることは許されず、勝っても負けても取組後には相手の立場に立ち、互いを認め、尊敬の気持ちを込めて感謝の意を表す」と話し、「わんぱく相撲を通じて礼節や相手をおもんぱかる精神を体感し、『互いを敬い思いやる心』を育んでほしい」と期待を込める。
葛飾は比較的相撲が盛んな地域で、十両力士、大道関の出身である葛飾白鳥相撲教室は、全国の各大会で優秀な成績を残している。特に奥戸や梅田地区が力を入れており、今回は水元地区の参加も目立った。さらに、同大会は都内では珍しい本土俵で行われる。本土俵は砂で足が擦れるので、体の小さい子が大きな子に勝つこともあり、マット土俵にはない面白さが特徴。本格的な会場で多くの声援が響く中、白熱の戦いが繰り広げられた。
出場した誠くん(小2)と光恵さん(年長)の父、石川隆さんは「自分が子どものころ、小4で初めてわんぱく相撲に参加し、勝つ喜びや負けた悔しさなどが楽しい思い出として残っている。来年は40回の節目に当たるので、2人そろっての入賞を目指して、早速練習に励みたい」と意気込みを語った。
東京都内ブロック大会は6月28日に「日野市民の森ふれあいホール」で、全国大会は8月2日に「両国 国技館」で開催予定。