立石のお好み焼き店「ひょっこりひょうたん島」(立石1)が8月9日、常連客との親睦を深める夏恒例のバーベキュー大会を開催し、集まった40人とともに大いに盛り上がった。
同店は、客からは「マスター」と呼ばれる店長の添田明さん(67)が故郷・大阪の味を味わってほしいと2003年に開店。店での自分の立ち位置を「校長先生」と語るように、その厳しくも温かい人柄はお客さんの心を捉え、本場のお好み焼きも味も相まってたちまち人気店となった。
そんな客と店長が分け隔てなく楽しむ同店では、店のオープン時から頻繁にイベントが開かれてきた。ゴルフコンペに添田さんや客一人ひとりの誕生日会、年末には忘年会を兼ねたボウリング大会や大宴会と、店の外での触れ合いも多い。「立石ヒョッコリーズ」なる草野球チームも結成し、交流試合も行っている。
この日のバーベキューは大型バスを借り切り、8時に店がある立石から参加者全員で出発。到着後、早速、買い込んで来た野菜や肉を焼き始め、ビールなどで乾杯し、大いに盛り上がった。昼すぎからは三々五々、そのまま飲み続ける人もいれば、隣接するアスレチック広場へ繰り出す者もおり、おのおの楽しんだ。
店に通い始めて10年以上たつという64歳の智田(ちだ)明夫さん(四つ木在住)は、「海外の仕事から帰ってくると必ず立ち寄るお店」といい、添田さんの人柄について「相手が客だからといって、お世辞とかは言わない。足りない食材があると客に近くのスーパーへ買いに行かせる」と語り、「基本、自由人。お店の中にカラオケ機器があるが、気付くとマスター自身が歌っている」と明かす。
来店時、見知らぬ男女の客同士で親しくなり、結婚に至ったカップルはこれまで9組。この日もその中の2組の夫婦が参加していた。その一人、高木秀一さん(32歳、青戸在住)は「お店で出会って半年で結婚し、現在、新婚5カ月目。マスターはもう一人の父親。出会わせてくれたことに感謝している。とても幸せ」と話す。
アスレチックで参加者の子どもらと遊んでいた添田さんは疲れも見せず、「モットーは彼らと楽しく飲みたいだけ。でも、マナーが悪かったり、あまりにも場を乱したりする客には怒る」。
客を結婚させる秘訣(ひけつ)については「彼と彼女だったら引き合わせてもいいかなと思って、くっつけちゃう」と、直感であることを明かす。
バーベキューを終えた添田さんを含む参加者は再びバスに乗り込むと、2次会会場となる居酒屋へ向かった。