東京都立農産高校(葛飾区西亀有1)で9月13日、1年生を対象とした、金町自動車教習所による出張交通安全教室が行われた。
2015年に行われた道路交通法の改正をきっかけに、交通事故抑制の地域活動の取り組みとして、同教習所が同区に点在する高校に向けて、交通安全教室の開催を打診。開催を希望した学校を順次訪問し、普段から自転車を利用する機会の多い学生に向けて交通安全教室を行っている。
当日は雨天ということもあり、同校の屋内にある柔道場を使って、自転車の交通ルールとマナーについて、自転車シミュレーターを使った実地と、同教習所の指導員による講義が行われた。
同教習所の亀屋正樹さんによる「一時停止の標識を見逃す人が多いから気をつけて」というアドバイスからスタートした自転車シミュレーター。生徒を代表して体験した女生徒は、シミュレーターの結果を受け、「いつも交通ルールを守っている方だと思っていたが、ちょっとしたことを見逃しがちなので、あらためて交通安全のルールを守ろうと思った」と、自身の結果を振り返った。
講義を担当した小野沢徹男さんは、全国の自転車事故によるデータを一つずつ解説しながら、「誰でも事故を起こす可能性を持っていて、加害者になってしまう可能性がある」と話し、加害者になってしまった場合の責任についても分かりやすく説明。交通ルールを守ることの大切さを話した。
講義とともに、事前に同教習所で撮影したという自転車事故の参考用映像も公開された。1回の撮影で大破したという自転車が生徒たちの前に運ばれてくると、フレームの曲がった自転車へ一斉に注目が集まった。
交通安全教室を終えて、同校の担当教員、佐藤浩芳さんは「外部の方の説明ということもあって、生徒たちにはとても聞きやすかったように感じた。あいにくの雨だったので屋外で開催できなかったことだけは残念。今回は1学年だけだったが、来年以降は全学年一斉に開催したい」と感想を話した。
亀屋さんは「みんなが楽しい高校生活を送るためにも、できることなら交通事故には巻き込まれてほしくない。当たり前のことをちゃんとやるというABCが大切」と話すと同時に、「今後は高校だけではなく、小学校や中学校でも交通安全教室を行いたい」笑顔を見せる。