震災から1週間たった3月18日、亀有地区からも被災地に向けた救援物資を積んだトラックが出発した。
救援物資の呼びかけを行ったのは、岩手県大船渡市出身で「サンドブラスト工房やまき」(足立区中川4)の松本和嘉子さん。松本さんは被災地について「故郷は想像を絶する姿と聞いている。東京にいて故郷に何ができるか考えていた」と話す。
大船渡出身で松本さんの知り合いのドライバーが大船渡へ行くという連絡を受けたのが今回のきっかけ。松本さんは大船渡市内で避難所生活を送っている親戚から「本当に今足りないもの」を聞き出し、ブログに救援物資の要請を公表。ブログは近所のカフェやタイヤショップなどからコピー&ペーストされ、その後多くの人の目に留まることになった。
中には現在まで使っていた紙おむつの残りを寄付する園児の姿も。園児は松本さんに「これをきっかけにおむつをやめるので、みんなのために役立ててほしい」と伝えたという。またブログを見て足立区内にある新聞販売店は箱ティッシュ30ケース(1,800箱相当)を寄付。時間までに約300箱程度の支援物資が集まった。
トラックが到着した18日19時ごろには、知り合いなど計10人程度がトラックへの積み込み作業を手伝った。メンバーの中には今回震災で被災し、大船渡から避難してきた松本さんの父、志田一成(70)さんの姿も。志田さんは「家も全て無くなってしまったが、故郷に物資を送る手伝いはしたい。向こうでは毛布やおむつなどが足りない。自分で何か手伝えれば」とトラックに物資を積み込んだ。
現在は追加の物資について募集の検討を始めている松本さん。「現在は生きることに精いっぱいだと思うが、今後の復興・再建の際になると、仕事と住む家のない人々はもっと大きなダメージがあると思う。自身も実家がなくなって思うが、今後もできることから長く続けられる支援を続けていければ」と話す。