![階段が座席となり、多くの観客が3人の座談会に注目した](https://images.keizai.biz/katsushika_keizai/headline/1332845755_photo.jpg)
京成立石駅地下通路(葛飾区立石5)で3月24日、トークセッション「考古学×スナック×建築:立石から考えるアーカイブの形」が開催された。主催はNPO法人「かつしか若手産業人会」。
会場は立石駅の南北をつなぐ地下通路で、座席は階段というユニークな空間を会場に開かれた。当日は雨で気温の低い中、あらかじめネットで予約のあった40人のほか、立ち見席などを含む60人以上の参加者が会場を埋めた。
葛飾区郷土と天文の博物館(葛飾区白鳥3)の学芸員で考古学が専門の谷口榮さん、スナック文化に詳しい編集者の都築響一さん、早稲田大学准教授で建築史が専門の中谷礼二さんが登壇。それぞれが、用意してきた資料を基にプレゼンテーションを行いイベントを進行した。
イベント内で谷口さんは「もつ焼きとハイボールは大事な立石の文化。自分のモツ焼き屋巡りは、ただの飲み歩きではなく“調査”なので、店内図面や料理の器のサイズなどをアーカイブしている」と話し、荒川区三ノ輪出身である中谷さんは、実父の運営する個人博物館を紹介し、それぞれのアーカイブの可能性を提示した。
イベントの終盤で、都築さんは「立石の文化と言えばスナック。スナックの良さは食べログなどのネットサイトに掲載されないこと。自分の足で良い店を探す楽しさを経験してほしい」立石地域に多くあるスナックの醍醐味(だいごみ)を紹介した。
イベントに参加していた30代の男性は「葛飾区出身だが、このようなイベントが葛飾で行われると思っていなかった。今回のトークイベントを見て、普段なかなか入れない居酒屋やスナックなどにもそれぞれの楽しさがあると感じた。やがて失っていく景色と思っていたが、自分たちの記憶に記録しく意識で飲みに行きたい」と感想を話していた。