タカラトミー(葛飾区立石7)は3月28日、東京学芸大学こども未来研究所(小金井市)とともに「リカちゃん ごっこ遊びラボ」を発足した。
「リカちゃん」は1967(昭和42)年に発売以来、旧タカラ時代からの大ヒット商品となった着せ替え人形。累計販売数は5000万体を越え、現在は人形だけでなく、さまざまな種類のコラボレーションなどを行う人気コンテンツとして成長している。
同プロジェクトは、同大の松田恵示教授をはじめとする研究チームの監修で、同人形を使った「ごっこ遊び」が子どもの発育にどのような効果的影響を与えるかを探り、データ化を試みる。
同プロジェクトは「ごっこ遊び」とは発達の分野でコミュニケーション能力を高める行為として考えられており、子どもが「ごっこ遊び」を通して、「自己認識や他者認識能力の獲得」「他者との関係性の構築・社会性の獲得」「自分像や将来像の獲得」の3つの点で子どもの成長に有効という仮説を裏付けるのが目的。松田さんは著書で「リカちゃんは、本物の『見立て』としてリアルな世界が体験できる」として評価していることから本プロジェクトが始まった。
調査は「おもちゃ王国」(岡山県玉野市)で行う予定で、実際に親子または子ども同士でリカちゃん人形遊びをしてもらい、専門家が観察する定性調査をはじめ、母親へのインタビュー、小学校高学年女子への振り返りアンケート調査を予定している。
同社グローバルドール・ガールズ事業本部の上田喜美代さんは「リカちゃん人形は自分たちの財産。これをバックボーンとして、ここから得た情報を基に、さらなる『より良い育ち』をサポートする玩具を展開したい」とリカちゃん人形への思いを語る。
同社では4月26日、「より良い育ち」をテーマに、リカちゃんの母方の祖母「だいすきなおばあちゃん」を発売。「香山洋子(54)」と名付け、花屋兼ケーキ屋のオーナーという設定で「リカちゃんハウス グランドドリーム」と「お花いっぱいケーキやさん」も同日発売する。
商品化の経緯は、リカちゃん人形で遊んだことのある「リカちゃん世代」の3世代化と、昨今「美魔女」と呼ばれる若々しく美しい中高年女性が増えてきたことがきっかけ。東日本大震災以降「家族」の絆が見直されている点も考慮する。
上田さんは「子どもと現代のおばあちゃんの関わりについて調査を重ね、美容や健康に関心の高い、活動的な中高年女性像が現れた。女性が元気であれば日本を元気づけられるのでは」と話す。
価格は、「だいすきなおばあちゃん」=3,360円。「リカちゃんハウス グランドドリーム」=1万500円、「お花いっぱいケーキやさん」=3,990円。