葛飾区市民活動支援センター(葛飾区立石3)で10月6日、「かつしか百物語 第12話 葛飾における怪奇・幻想・キタンを読み解く」が開催された。
「かつしか百物語」は、葛飾歴史文化研究会の各研究者が葛飾区の歴史をテーマに発表を行うもの。今回の発表者の寺島玄さんは西新小岩在住。怪奇や幻想をテーマに、地域文化をフィールドワークで調査・研究している。同企画は、都心ではなく田舎でもない東京東部地域には怪奇・幻想の言い伝えが多く、葛飾区の周辺地域でも怪談話のイベントが人気を得ていることから発案された。
内容は、葛飾区で伝承される魑魅魍魎(ちみもうりょう)を独自に研究し、未来に向けての予想・予測を加えたもの。主に区内の寺社仏閣を中心とした10のテーマを設けた。発表では、「根有り石」といわれ掘り返すことができないといわれている奇石・立石様X線で撮影した調査結果や、ヒガンバナで知られる宝蔵院(奥戸8)の性愛秘話などが紹介された。
発表会に参加した青戸在住の森本龍司さん(71)は「自分が住んでいる地域でこんな話があるとは面白い。過去の話を現在、未来へとつなげて行こうとしている点がすごい」と感想を話した。四ツ木在住の古川佐久雄さん(71)は「物事をいったん丸裸にして再編集している。ちゃんと方向付けているので、聞いていて合点がいくものばかり」と話す。
発表を終えた寺島さんは「自分は素人で学術的な研究者ではないため、いろいろな方向にクロスオーバーして考えることができる。今後は研究を続けるとともに、フューチャーテラーとして語り継いでいきたい」と意気込みを見せる。