「リカちゃんごっこ遊びラボ」の最終報告会が3月22日、タカラトミー(葛飾区立石7)で行われた。
同プロジェクトは、1967(昭和42)年発売以来、超ロングセラーを誇るリカちゃん人形を使った「ごっこ遊び」が子どもの発育にどのような効果的影響を与えるかを探ったもの。同社と東京学芸大学こども未来研究所(小金井市)の松田恵示教授をはじめとする研究チームが監修した。
報告会では、昨年の4月から6月にかけて「おもちゃ王国」(岡山県玉野市)と同研究所に来園・来所した児童の観察や、小学校高学年と中学生、母親へのアンケート調査から導き出された結果を基に進行された。
内容は、ごっこ遊びが「自己認識や他者認識能力の獲得」「他者との関係性の構築・社会性の獲得」「自分像や将来像の獲得」の3点で子どもの成長に有効という仮説を基に調査されたが、自分像や将来像の獲得は検証されたといえる結果を残した。しかし、自己・他者の認識能力や他者との関係性構築・社会性という面では、複数体の人形や多種類の人形も交えて遊ぶなど、遊び方によって社会性を育むきっかけとなることが明らかとなった。
松田教授は「ごっこ遊びに見られる『演じる』という行為に子どもたちが自発的に触れ、夢中になって楽しむことが人間関係や『確かな自分』の形成に役立つと考えられる」と話し、「リカちゃん人形は遊べる年齢幅が広い人形で、遊び方も多様。今回は1体ではなく、複数体の人形で遊ぶ子どもに社会性などの影響が強く見ることができた」と総括する。