柴又駅前(葛飾区柴又4)から帝釈天題教寺参道(柴又7)にかけて8月15日、「寅さんの夕べ」が開催された。主催は柴又神明会。
寅さん役の渥美清さんが亡くなってから始まり、今年で16回目を迎える同イベント。「寅さんが年に1度、道に迷わず帰って来られるように」との願いを込めて、毎年お盆に点灯する。柴又駅前の寅さん像から帝釈天まで、今年は500個のLEDロウソクが並べられた。
18時ごろから神明会により設置され、19時に点灯スタート。「寅さんありがとう」と一つ一つ手書きされた灯籠をはじめ、最初はほのかな光だったLEDロウソクは夜がふけるにつれて闇とのコントラストを作り、幻想的な雰囲気を生み出した。同イベントは撮影スポットとしても人気があり、カメラを抱えたり、iPhoneやiPadで撮影する人や家族連れ、壮年グループでにぎわった。
紫の浴衣に身を包み、この日を楽しみにしてきたというフランス在住の佐藤久美子さんは「インターネットで調べて、ぜひ来たいと思っていた。神奈川に里帰り中で、今日は娘と両親と一緒に楽しみたい」と笑顔で話した。
題経寺(柴又7)では盆踊りが繰り広げられた。大きな三脚を移動させながら一眼レフを構えていた、金町在住の三井桂子さんは「柴又の盆踊りはレベルが高い。何年か前に来て良かったので、また撮影に来た。以前のロウソクから安全上LEDになったのは仕方がないし、これはこれですてき」とシャッターを切った。
今年4月に埼玉から新柴又に引っ越して来たと話す60代の夫婦は、「このイベントは初めて。幻想的ですてき。昼間とは全く違う雰囲気」と目を細めた。「夕涼みの散歩に」とやって来た近隣の住民の他にも、「柴又が好き」「一度来てみたかった」と話す区外、都外の観光客も多い。
店頭では空揚げや枝豆の販売、店内では輪投げゲームを行っていた亀家本舗の岩崎純哉さんは「今年は露天が出ていないから少し寂しいが、子どもたちに楽しんでもらえたら」と話した。