江戸川河川敷の柴又ソフトボール場(葛飾区金町浄水場1)で1月20日、金町小学校(金町3)のたこ揚げ大会が開催され、雲ひとつない真っ青な空に、色とりどりのたこが舞い上がった。
同校前に位置する同会場で行われた同イベント。参加者は全校生徒370人と、PTA、「葛飾の川をきれいにする会」「江戸川 たこの愛好会」「葛飾たこの会」。同校の創立140周年を記念して行われたもので、同校の環境教育の課外授業を担当する「葛飾の川のきれいにする会」が提案した。
同校は同提案を受け、「総合的な学習」の授業の一貫として、たこの製作から行った。指導に当たったのは「江戸川 たこの愛好会」の会長・蒲倉一郎さん。蒲倉さんは、江戸川区の小学校でもたこ揚げ指導を行っている専門家。「今回製作した36センチ四方の『ダイヤだこ」は、『こうぞ紙」を染料で染めて作っている。100年持つほど丈夫』と話す。同校校長の稲村勝成さんは、同授業の狙いについて「地域愛、愛校心を育むことと、日本の伝統的な遊びを体験すること」と話す。
「コツは糸巻きは持たず地面に置いて、糸を持って揚げること。尻と背中に風を受けるような向きで立ち、頭より高いところに糸をあげること」と蒲倉さん。
この日、5・6年生から順番に小だこをあげ、次々と舞い上がるたこに子どもたちから歓声があがっていた。「思ったより飛んでうれしい」「色塗りがはみ出しちゃったけど、空に上がるときれい」と小3女子。手伝いに来た保護者は「普通のビニールのたこではなく、ちゃんと手づくりしたたこを揚げるのがいい。伝統文化を継承しようとする試みも良い」とほほ笑む。
このほか、愛媛県内子町の「いかざきたこ」を用いた大だこも制作した同校。 タテ2メートル、ヨコ1.3メートルの大だこは、保護者が制作し、児童が「祝創立140周年葛飾区立金町小学校」の一文字ずつを書いた。しかし同日は最大風速16キロメートルになったこともあり、安全のため、大だこ揚げは中止。蒲倉さんが大だこ1統を揚げるデモンストレーションを行ったが、やはり風が強すぎて、たこが破れてしまった。「たこ揚げは自然が相手。止める決断も大切。自然をあなどらず、穏やかな風の日に楽しんでほしい」と蒲倉さん。
稲村校長は「念願だったたこ揚げで、子どもたちのたこが見事に舞い上がって良かった。大たこは、専門家の判断が一番。その点も含めて環境教育だと思う。同会や保護者など、たくさんの協力のおかげで実現できた。たこ揚げ教育やこのような大会は、今後もぜひ継続して行きたい」と意気込む。