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高校生による防災訓練、初の4校合同―24時間ラジオで放送

救護訓練を行う学生

救護訓練を行う学生

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 かつしかFM(葛飾区立石5)が3月11日に放送する「24時間ラジオ」の企画のひとつ、「高校生による防災訓練」が行われ、その訓練模様が収録された。

人間の体重を想定した砂人形を使う救出訓練

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  同番組は、かつしかFMの谷優香さんの企画で、区内の都立高校が合同で防災訓練を行うもの。東京都立葛飾総合高等学校(葛飾区南水元4)から7名、都立農産高等学校(同西亀有1)から3名、都立南葛飾高等学校(同立石6)から6名、都立葛飾商業高等学校(同新宿3)から16 名、合計32名が参加した。

 企画のねらいについて、谷さんは「災害時、高校生は大きな戦力なのに、区内の高校同士が交流する機会がない。この訓練をきっかけに、横の繋がりを作りたい」と語った。また、葛飾区防災課長の情野正彦さんは、「高齢化が進んでいる同区で、高校生は、お年寄りにはできないことができる。この訓練が地域活動のきっかけになれば。ひいてはそれが、区全体の防災力のアップに繋がる」と期待を寄せた。

 訓練は、3班に分かれて、スタンドパイプ取扱い訓練、D級ポンプ取扱い訓練、応急救護訓練(AED)、救助救出訓練が行われた。スタンドパイプ訓練では、「消火栓」のマンホールを開け、中の栓にスタンド式のパイプを取り付けてホースをつなぎ、放水を体験。「普段、何気なくみている消火栓のマンホールが、どうなっているのか、知ることができた」と葛飾総合高校3年の染谷美穂さん。また、救助救出訓練では、倒壊家屋の下敷きになった人形の救助を実践。重い障害物を取り除く方法や、「震災バッグ」の紹介、動けなくなった人の運び方を訓練した。被害者役の人形は30キログラム。「小学生ほどの重さなのに、とても重かった。1人では無理。みんなで力を合わせないと」と南葛飾高校の久慈拓海さん。「実際の災害時、大人だったらもっと重いはず。怪我をしているかもしれない」と、災害時を思い浮かべながら訓練に臨んだ。訓練中は挙手、質問などもあり、高校生たちの積極性が光っていた。

 訓練を終えて、本田消防署署長から「楽しく、真剣に取り組んでくれてありがとう、感動した」という講評が。各校の引率の教員も「他校と合同で行う訓練は初。いい機会だった」(葛飾総合高校、山田泰之先生)、「普段できないような、具体的な訓練、知識をたくさん得た」(農産高校、安部そのみ先生)と高く評価した。

 同企画のきっかけになった「東京消防庁災害時支援ボランティア」の中村隆三さん(都立墨田工業高校2年生、生徒会長)は、普段の自身の活動の中で「若手の力が足りていない」と感じ、災害時、高校生の力を結集する必要性を感じていた。中村さんは「この訓練を開催してよかった。高校生はすごい。子どもとはできる事が違う。その力を再認識した」と感想を述べた。また自身が東日本大震災の支援に行った際の経験談も披露し「お弁当を配るだけでも、高校生が行うと避難所が明るくなる」とも。かつしかFMの谷さんは「高校生の力が注目されている。先頭に立って行動してほしい」と激励。今後の抱負として「第2弾、第3弾の企画をたて、繋げて行きたい。「葛飾区は安心な町」と自信をもっていえるようになってくれたら」と期待を込めた。

 24時間ラジオは、3月11日7時30分から12日7時30分まで放送される。テーマは「受身から行動の防災へ~」。高校生は11日19時から20時30分に登場予定。

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