奥戸地区センター(葛飾区奥戸3)で4月14日、「2015年度 農業サポーター養成講習会」開講式と、第1回講義「都市農業の振興と、農地の保全」が開催された。「農業応援サポーター養成事業」として、葛飾区農業委員会、千葉大学、JA東京スマイル、東京都、葛飾区の産・学・公が連携して行うもの。
「新たな農業の担い手を支援」するとともに、「都市農業の振興」と「農地の保全」を目指す同事業。同区は23区の中でも農業が行われている数少ない区。区内農家世帯数は189世帯。区内農地面積は41ヘクタールと、東京ドームの約9倍にもなる。現在、水元、奥戸、高砂地区を中心に、小松菜、枝豆、ホウレン草、キャベツ、ネギなどが栽培されているが、農家の平均年齢は62.8歳と高齢化が進み、担い手不足が生じている。
そこで同事業では希望する区民に一定期間、農作業を教え、サポーターバンクに登録。受け入れを希望する農家へ紹介し、農作業等の手伝いを行ってもらう。2013年から始まり今年で3年目。現在、22人のサポーター登録があり、11軒の農家に紹介、のべ21日間で91人が作業に従事した。本年度は30代~70代まで、11人の応募があった。
講習会は全8回の講義の他、畑での「実習・管理作業」を毎週行い、12月までに一連の農作業を学ぶ。7割以上の出席で、農業応援サポーターに登録できる。作付けの予定は、夏野菜ではトマト、ナス、枝豆。冬野菜では小松菜、ニンジン、ブロッコリー、サツマイモ、白菜、大根、ネギ。栽培方法の他、害虫や土壌病などについても学ぶ。
場所は奥戸地区センターの隣の畑を利用し、実習講師には千葉大学園芸学部の大学生を迎える。同大の鶴田智也さんは「学校で勉強した知識を実地で伝えることは、自分たちのためにもなる。一緒に成長したい」と抱負を述べた。「実家が八街の米農家」という同大の秋葉修兵さんは、「農家目線で指導したい」と意気込む。
参加した轡田(くつわだ)京子さんは、「現在、区民農園を借りている。より上手に、おいしく作りたい」と意気込みを語った。初めて農業に取り組む吉井淑恵さんは、「自然、緑が好きで農業にも関心があり、申し込んだ。ゆっくり覚えてサポーター登録できたら」と抱負を語った。
同区産業経済課長安井喜一郎さんは、「同区の魅力は、農地、町工場、商店街、住宅地が混在しているところ。農地は大切な要素。無理をせず楽しんで学び、サポーター登録してほしい」と呼び掛ける。