葛飾区が区役所中庭の「緑と花のいこいガーデン(屋上緑化見本園)」内に6月16日、婚姻届提出者を対象にした記念撮影スポットを設けた。
同スポットは、「区民へのおもてなし企画」を担当する女性職員で構成するワーキンググループが考案したもの。
戸籍届出係長の野口恵子さんによると、これまでも、婚姻届を提出したカップルから「写真を撮ってほしい」と言われることが多かったが、ほかの利用者のプライバシーを守るため窓口での撮影が困難なことから、安心して写真を撮れる「撮影スポット」を設けることになったという。
設置場所は、「季節の花を背景に撮影できたらすてきではないか」と、区内の緑化推進協力員が季節の草花を植え手入れをしている花壇のある同所に決め、戸籍住民課、環境課緑化推進係が共同で設置に取り組んだ。
「花のあふれる場所は、幸せな気持ちになる。人生の門出を祝う場所となれば手入れをする人たちのモチベーションアップにもつながる」と野口さん。
ジューンブライドの6月オープンを目指し準備を進めてきたという同課。同スペースには、自撮り棒、雨の日にも2人で入れるよう大きめサイズで用意した紅白の「愛愛(あいあい)傘」、手作りの「JUST MARRIED」ボード、カメラを固定する三脚を設置した。
野口さんは「2人の世界で楽しんで撮影できるように工夫した。区役所での事務手続きの待ち時間を有効に使ってもらえたら」と利用を呼び掛ける。フェイスブック、ツイッターでも反響が大きく、「私もやりたかった」「あのころあったなら」などのコメントが寄せられているという。
同区の昨年度の婚姻届受理件数は2307件。野口さんは「結婚を記録に残したいというカップルが増えている。区で発行している、複写式のピンクの婚姻届も200部ほど出ている」と話す。「写真を撮ることで結婚したときのお互いの気持ちを忘れず、葛飾区に末永く住んでもらえたら」と笑顔を見せる。