葛飾総合高校(葛飾区南水元4)の修学旅行が2月7日・8日の2日間、同校と沖縄県各地をつないだオンライン形式で行われた。
同校2年生の生徒は修学旅行で沖縄県を訪れる予定だったが、新型コロナウィルスウイルス感染拡大の影響で見送ることとなり、現地企業の協力の下、オンライン会議システムを使い、2日間でさまざまな企画を行い沖縄についての学びを深めた。
1日目は開校式を行った。単純な講演会にならないよう、「かりゆし」を着た現地の芸人がファシリテーターとなり、沖縄の方言を用いるなど現地の雰囲気を出す工夫も見られた。東京と沖縄の違いをスーパーマーケットやコンビニから伝え、売っているものの違いなどを見せるなど、沖縄のスタジオと学生とで会話し、コミュニケーションを取る場面もあった。午後はオンライン指導の下、シーサーの置物やサーターアンダギー、琉球マース御守り作りや、現地から事前に送ってもらった「さとうきび」を実際に植える体験講座も行った。
2日目は国際海洋環境情報センター(GODAC)の協力で、サンゴ礁や海洋生物について学んだほか、基地問題や平和について考える時間も設けた。同校では修学旅行をキャリア教育の一環として考えており、滞在中は専攻ごとに現地の企業訪問をすることとなっていたが、その代わりとして、沖縄県内の12の企業から沖縄の職業や産業について学んだ。生徒たちからは「企業の代表者の方の話はためになる」「自分の仕事への考え方が変わった」などの声が聞かれた。
2日間を過ごして、女子生徒らは「当日の朝まで全く楽しめるイメージがなかったが、画面越しに沖縄文化の話を実際に聞いて『楽しい』という思いが強くなった。沖縄文化を身近に感じられるようになった」「オンライン修学旅行が成功するよう今までとは違うやり方で尽力してくれた沖縄の方々の温かさを感じた。機会があれば、今度こそ現地に行ってみたい」と感想を話した。
男子生徒からは「芸人さんの米軍基地の話が印象に残った。戦争の痕跡が残っている公園でトーチカの中を見せてもらい考えさせられた」と話し、「私たちのことを考えて最善を尽くしてくれた先生たちに感謝したい」という声もあった。