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西水元の「izumi工房」が移動販売 元看護師が高齢者向けの焼き菓子届ける

「izumi工房」店主の大塚いづみさん

「izumi工房」店主の大塚いづみさん

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 葛飾・西水元の「izumi工房」(葛飾区西水元5)が焼き菓子の移動販売を始めて2カ月がたった。

「izumi工房」のスティックケーキ

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 店主の大塚いづみさんは3月、同店を開業。4月から水曜・日曜の週2日、金町駅北口の青葉不動産(金町1)の敷地内で自転車を使い移動販売を行っている。大塚さんは、以前は看護師として病院に勤務、高齢者や知的・精神疾患の病棟を担当し、「病院で入院している人は食べ物に制限があり、特に菓子類は食べたくても食べられない。生きていくのに食の楽しさがないと元気が出ないのでは」と考えるようになったという。

 大塚さんは3人の子どもを育て、30代後半で調理師免許を取得。いずれ自身の店を持ちたいと考えていたが、それでは子どもを育てきれないと考え40歳で看護師になったという経緯を持つ。しかし病気を患い15年間勤めた看護師を辞めざるを得なくなり退職。「退職時に全てを失ったという喪失感を味わった。自分にできることを自問自答して、医療現場の知識と調理師の免許を生かそう」と考えたという。

 その後、小さなケーキ工房で2年間働き、焼き菓子の修業をした大塚さんは夢だった自分の店を出すことを検討したが、「資金と年齢の面から手軽にできる移動販売を始めることにした」と話す。

 焼き菓子「スティックケーキ」は、嚥下(えんげ)と咀嚼(そしゃく)を意識して作っており、高齢者がむせないものを作るため、膨張剤を使わず卵白でケーキを膨らませ、かめば溶ける食感になっているという。食べやすいスティックタイプで販売し、チョコレートブラウニーやフルーツミックスなど現在5種類を用意。価格は各150円。

 大塚さんは「体力的に大変なこともあるが、売り切れることもあり順調。とにかく高齢の人にも食べることを楽しんでほしい。街の雰囲気が変わってしまったと感じるので、明るい店を作って街をにぎやかにしたい」と抱負を語る。

 来店した40代女性は「金町に勤めていて、お客さんからおいしいと聞きつけた。売り切れ次第終了と聞いていたので買えて良かった」と話していた。

 移動販売は水曜・日曜の11時~16時(売り切れ次第終了)。

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