亀有香取神社(葛飾区亀有3)内にある「あの星を目指せ、両さん像」の横に「両さんと歩く亀有マップ」、参道横に「亀有香取神社境内案内図」が、それぞれ完成した。
マップは横4メートル、高さ2.4メートルのサイズに、亀有の名所や各地に点在する両さん像などを紹介。マップを中心に亀有の写真資料を展示した「亀有今昔物語」や3つの散歩ルートなども掲載している。
境内案内図は境内にある氏神やお守りの説明、由緒などを記した看板。横幅約4.4メートルには、1276年に鎮座した約730年の歴史を紹介している。同神社の唐松範夫宮司は「両看板とも亀有地域では最大級の掲示板になる。地域の名士などからも資料をいただくなど、非常に詳しくできあがっている」と話す。
今回の両看板の制作は今年の1月からスタート。昨年末に両さんの銅像が立ち上がることで宮司が「一過性のものでなく、子どもたちに喜ばれ、地元を案内をするものを作りたい」という発想がきっかけ。両看板のデザインはじも研(亀有3)が担当し、看板製作はウララネクサス(足立区東綾瀬)の地元企業2社が担当した。
デザインを担当したじも研の長峰友子さんは「今までウェブサイトやパンフレットのデザインを担当してきたが、今回は4メートルの大物で都合が異なって苦労した」と振り返りながらも、「地元の出身ではないが、イラストを描きながらデザインしていくうちに地元に対する愛着が沸いてきた」と話す。
看板製作を行ったウララネクサスの大沢恵司社長は「下町らしい雰囲気を出すために木目にこだわった。しかし、腐食しないようにステンレス素材などを使っている。頑丈でありながら優しい雰囲気を演出するのに苦労した」と話す。「屋根の下の部分にも『両さんらしい』仕掛けをしている。ぜひ探してほしい」とも。
同看板の製作完了は当初6月初旬だったが、1カ月ほどの遅れとなった。延期について、長峰さんは「原作者の秋元先生や集英社が気に入ってくれ、漫画タイトルの入っていないオリジナルの原画を急きょお借りすることができ、差し替えと確認に時間がかかった。しかし、多くの人が見てくれることを考えるとまだ足りないくらい」と話す。
「一番の中心を小学生の子どもに合わせた高さで設計している。大人やこち亀ファンはもちろん、神社の歴史を子どもと一緒に知ってもらえれば」と大沢社長。長峰さんは「現在街の観光名所や店を掲載したマップを制作している。できあがったら看板を見て、地図を手にしなが亀有の魅力をもっと知ってもらいたい」と期待を寄せる。