新小岩の銭湯「大黒湯」(葛飾区西新小岩4)で5月13日、男性ボーカルグループ「encappella G(エンカペラジー)」のミニコンサートが行われた。
同グループは2005年デビュー。グループ名は、「アカペラで演歌を歌う爺(じい)の集まり」ということから「エンカペラG」と命名主にライブハウスや地域イベントなどで活動し、AMラジオではレギュラー番組も持っている。
同日のコンサートは、88軒の銭湯での開催を目指す同グループ「東京銭湯お遍路コンサート」の54軒目。浴室内は音の響きも良く、昔から銭湯は近所の人が集まるコミュニティーの場であることから企画された。リーダーの浪上光夫さんは「遠くのコンサート会場まで行くことのできないお年寄りにも来てもらえることも理由の一つ」と話す。
会場は大黒湯の女湯。浴槽前を舞台とし、浴室内に椅子が並べ、近所のお年寄りなど約50人の観客が集まった。
約1時間の構成で、曲目は「函館の女」「天城越え」などの演歌が中心。途中、韓流ドラマ「冬のソナタ」の主題歌を主演俳優ペ・ヨンジュンの物まねや、葛飾区内の銭湯ということから映画「男はつらいよ」の主題歌なども披露。童謡「ふるさと」を観客とともに歌う場面もあった。
コンサートに参加した新小岩在住の70代女性は「楽器もマイクも使わずに、あれだけの歌を歌えることにびっくりした」と驚きを表した。大黒湯の主人・丸山勝さんは「普段銭湯を利用しない人に来てもらういい機会となった。今後もこうした活動をいろいろ行いたい」と、銭湯を活用したイベントにも意欲を見せる。