タカラトミーアーツ(葛飾区青戸4)は2月6日、納豆のコク製造マシン「食の極み『魯山人(ろさんじん)納豆鉢』」を発売する。
同商品は食通とも知られる芸術家・北大路魯山人が提唱したといわれる「納豆を究極においしく食す方法」を手軽に再現できる攪拌(かくはん)装置。本体に納豆をセットし、上部のハンドルを回すことで納豆を通常の倍速で練ることができる。
つまみの切り替えにより2つのモードを用意する同商品。「納豆はかき混ぜるほどにおいしくなる」という魯山人の教えを元に設定された「魯山人モード」では、しょうゆを入れるベストなタイミング(305回)や最もおいしいとされる完成のタイミング(424回)でふたが自動的に開く。無限にかき混ぜることが可能な「我流モード」では、自分だけの究極の納豆を探求できる仕組み。
開発を担当したライフ事業部の和田香織さんは「冗談みたいな商品と思われがちだが、多くの日本人に愛されている納豆をよりおいしく、楽しく食すためにはどうすればいいかを大真面目に考えた」と振り返る。混ぜる前と後の味の違いを「味香り戦略研究所」(中央区)の協力の下、「味覚センサー」で調査。調査結果、納豆が最もおいしくなるとされる424回混ぜた状態では、コク成分が1割ほど向上することが分かった。
開発期間は約1年間。和田さんが試した種類は10数種類以上で、大豆の豆の大きさや種類など異なるものを試食。その食べ応えや特徴、回転数などを詳細に記録し、納豆の特徴を把握した。しかしながら和田さんは「出身が奈良で、小学校のとき以来食べず嫌いで過ごしてきた」と話す。開発のきっかけについて、「これほど食べず嫌いや話題になる食材は少ない。自分も魯山人の食べ方を知ってから納豆に関する偏見がなく、おいしく食べられた。その経験がコミュニケーションにきっかけになるのでは」とも。
「納豆が好きな人には美食家気分を味わってもらい、納豆が苦手な人にはこの商品をきっかけに納豆のおいしさを知ってもらえれば」と和田さん。できあがった納豆は大豆のコク(濃厚感)が強く感じられ、しょうゆがよく絡みまろやかな味になるという。
希望小売価格は2,310円。全国の雑貨店・量販店、玩具専門店、一部スーパーの食品売り場などで扱う。