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クリエイター発掘・支援で地域に元気を 「Rethink Creator PROJECT」が葛飾・柴又で開催

提供:Rethink Creator PROJECT 制作:葛飾経済新聞編集部

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 住んでいるからこそわからなくなる「わが町の魅力」。しかし、視点を変えることでその魅力を再発見し、プロのように印象的に、そして伝わる表現で発信できるようになれたら…。そのメソッドとデザインを学び、体験できる「Rethink Creator PROJECT(リシンククリエイタープロジェクト)」のワークショップ型セミナーが7月21日、葛飾区柴又で初めて開催されました。

日本の地域で開催されている 「Rethink Creator PROJECT」とは?

 「Rethink Creator PROJECT」とは「地元を誰かにまかせない」をキーワードに地域の魅力を再発見・発信できる人材を日本全国に創出し、地元住民による地域活性を目指すプロジェクト。2018年よりセミナーやコンテストを実施し、セミナーはこれまで38拠点で開催し、累計参加者数は2020年までで約2,300人にのぼる勢い。活動は年々盛り上がりを見せています。

 主催はインターネット広告で多くの実績を持ち、クリエイターの養成や支援も行うクリエイターズマッチ(渋谷区)。本プロジェクトは同社のメソッドと日本たばこ産業株式会社(=JT、港区)が推進する地域社会への貢献活動「Rethink PROJECT」とのコラボにより実現したもので、今回は葛飾区からの後援も受けて区内での開催が実現しました。

セミナーはオンラインとリアル会場でのハイブリッド式で実施。テクニカルスタッフがオンライン参加者からのコメントを会場とつなげスムーズな進行をサポート

会場は250年の歴史ある老舗。葛飾区長も応援に!

 会場に選ばれたのは、映画「男はつらいよ」でおなじみの柴又帝釈天前の参道に佇む老舗・川千家(かわちや)(葛飾区柴又7)です。鰻や鯉などの川魚を供しておよそ250年。「会食するなら川千家」とひいきにする地元住民も多い風情あふれる料理店です。古き良き建物内でオンラインにより外の世界と繋がる不思議な感覚を感じる方も多かったのではないでしょうか。

重要文化的景観に指定された柴又帝釈天通りにある「川千家」その2階にある座敷が会場に

 イベント当日は会場に直接参加した21人、オンラインでは15人、会社員から主婦、学生など、普段はクリエイティブな業務には携わっていない人々も多く参加しました。

 開始早々、葛飾区の青木 克德区長も応援に駆けつけ、区長からは「葛飾・柴又は“寅さん”を通して下町の魅力を世界中に発信し、地元の住民も柴又は魅力ある町と気づくに至りました。しかし葛飾区にはほかにも魅力的な場所がたくさんあります。それぞれの町の魅力を個々が自分の頭で考え、発信していくことは大切なことだと思っています。本日参加されている皆様もどうぞよろしくお願いします」と激励の言葉を掛けました。

「葛飾の魅力は人情人と人のつながり」と語る青木区長

現役クリエイター2人とともに“「Rethink」=視点を変えて考える”をやってみた

  セミナーは前半30分・後半90分の合計120分で構成されていて、前半では「Rethink=視点を変えて考える」講座を受け、後半ではその技術を駆使しながら地元のPRポスター2点を実際に製作していきます。講師は、葛飾区お花茶屋在住のフリーランスクリエイター・下田裕美さんと、埼玉県川越市在住のコミュニケーションプランナー・可児淳子さん。講師2人が軽快なトークを交えながらわかりやすく「Rethink(視点を変える)」のコツを手ほどきしていきます。

Rethink Creatorの下田裕美さん(右)と可児淳子さん(左)

 下田さんが「さて、葛飾の魅力ってなんですか?思い浮かべてください」と投げかけると、会場は一瞬静まり、葛飾区は初来訪という可児さんも「寅さんとか、亀有のあのマンガかな…」と少々困惑した様子に。

 「そうですよね。ただ漫然に地元の魅力を考えると誰でも知っている当たり前の情報が出がちです」と視点を変えることの難しさを示した上で“フィルター=誰に何を伝えたいのか絞り込む”、“インサイト=なぜ伝えたいのか理由、内側を見る”、“カプタ=データ情報ではなく印象をイメージする” というRethinkを可能にする3つのステップを紹介。そのテクニックを駆使しつつ、多数の実例を交えながら、特定の誰かに向けた葛飾の魅力について深掘りしていきました。

「水彩画が好きなおじいちゃんには堀切菖蒲園をおすすめしたい」など実例を交え解説する下田さん

 講座を受けた受講者からは「“カプタ”という言葉を初めて知り、情報の性質を考えて伝えることは大事だと思った」「視点を変えるってなかなか難しいと思ったが、固定概念を外して考えるのは楽しくなりそう」と新たな発見を喜ぶ声も。

 Rethinkの3つのステップはクリエイターズマッチに在籍するクリエイターが企業のブランディングや課題解決のため実際に使っているテクニックとのこと。プロが現場で実践している技を凝縮し学んだ30分を経て、いよいよ後半は実際にポスターを作るワークショップに進みます。

地元目線のポスターを作ろう テーマは「地元のアフターコロナをRethink」

 まず、一つ目のお題として選ばれたのは下町の夏の風物詩「葛飾花火大会」の写真。打ち上げ場所が観客席から近く、都内でも屈指の臨場感が味わえるとして人気のイベント。今年は残念ながらコロナのため中止になりましたが、コロナ収束後の世の中をイメージしつつ、区外の方へ向けて「ぜひ花火大会に来てほしい」との想いを込めたコピーを全員で考えていきました。

「伝える相手」を想定しながらコピーを考える参加者たち

 まず、伝えたい相手(人物像)を設定。その人物に花火大会を勧める理由を考えながら、写真から導き出されるカプタ情報を出し合い、さらにそのキーワードをもとに魅力的なキャッチコピーを考案し、リアルタイムでポスターに仕上げてゆきます。

 「ターゲット像は具体的にイメージすればするほどいいものができますよ」との下田さんのアドバイスを受けて参加者からはリアルな人物像が多数候補にあがり、最終的には“猫好き、女性50代、北海道在住、新聞配達、パート98万、質素、インスタが趣味”という人物像が決定しました。花火大会の写真から感じる印象(カプタ情報)を出し合うステップでは「多ければ多いほどいいですよ。音や匂いやオノマトペ(音象徴語。擬音語・擬声語・擬態語など)でも」との講師のアドバイスを受け「ドォォォォン(花火の響く音)」「きた!きたよ~!!」「エモい」「ビール追加!」「遅れない爆音」などの生き生きしたワードが続々と集まりました。これらのキーワードを念頭におきつつ、先ほど決定した人物像に向けたコピーを考えていきます。わずか3分という制限時間内にも関わらず続々とコピーが出揃い、最終的に選ばれたのは“「ドォォォン」の音は、ハッシュタグでは表せないから。”に。そして、瞬く間にその場でポスターに仕上げられました。

「ドォォォン」の音をアピールしたポスター案

 「インスタが趣味というターゲットに向けて写真やテキストでは味わえない花火大会の臨場感を体感してもらいたい」という趣旨がダイナミックに伝わるポスターが完成すると、会場からは関心の声と大きな拍手が沸き起こりました。

目の前で仕上がる地元ポスターに参加者も感動が

2作目の題材はあの柴又名物! ユニーク発想でほっこり斬新なポスターに

 二つ目のお題は、柴又帝釈天通り「門前とらや」で販売している草団子の写真です。1987(明治20)年の創業以来、参拝客や地元住民に親しまれてきた柴又の名物スイーツです。

 「コロナが終わったらぜひ食べ歩きを楽しんでほしいですよね」という下田さんの言葉を受け、可児さんがターゲット像に選んだのは「アフターコロナに来日するであろう外国人観光客」。原料がよもぎであるため、リアル会場からは「ビーガンOK」「よもぎは日本のハーブです」というカプタ情報が続々と寄せられました。オンライン参加者からは緑色の団子上に餡がこんもりと乗っているビジュアルから「パーマネント頭」「緑鬼(節分に柴又に出る)」「高木ブー」などのユニークワードも多数提出され「だんだん緑鬼に見えてきた」と講師の二人が思わず笑みを浮かべるひとときも。「面白いコピーができそうですね。相手に伝えたいと思う理由やメッセージを考えながら相手に響くコピーを考えてみて下さいね」と下田さん。

 そうして出そろったコピーはいずれも力作ばかり。リアル会場から提出された“MOGU MOGUハーブ”というコピーには「モグモグという団子の食感と美味しさが伝わる」。“やっと会えたね。日本の味。色も香りも“寅”ディッショナル“には「アフターコロナにやっと会えたというストーリーにぐっとくる」と高評価。悩みに悩んだ末に講師らが最終的に選んだのは“緑の鬼の甘いヤツ”というもの。柴又で毎年開催される伝統行事「節分会豆まき大会」で出没する緑の鬼から連想したコピーのインパクトと面白さが決め手となりました。

「鬼」をコミカルにあしらったポスター

セミナーを終えて得られた感想 「クリエイティブはみんなのもの」

 セミナーを支援する日本たばこ産業株式会社東京支社東京東部第一支店地域コーディネーター新倉晋さんは「江戸川・葛飾担当の私は、このエリアのことはそれなりに詳しいと思っていましたが、柴又の豆まき大会で緑の鬼が練り歩くことは知りませんでした。地元の知らなかった魅力を知り、知っている魅力はより効果的に発信することができれば地域は必ず盛り上がると確信しています」と会を振り返りました。

「川千家を会場にしたことで参加者の皆さんが喜んでくれたと感じる」と新倉さん

 「出てきた作品はどれも素晴らしくて本当に悩みました。2つの作品には葛飾の温かい人柄やさっぱりした気質の江戸っ子感が出て、ありきたりではない葛飾の魅力を表現できたのではと思いました」と講師のメイン司会を務めた下田裕美さんは振り返ります。

「『地元を盛り上げたい』という住民の想いに寄り添いたい」と語る下田さん

 可児淳子さんは「1作目の人物像“猫好き…北海道在住、パート98万……”という設定はさすがに難しすぎたかなと思っていましたが、打てば響くように皆さんからどんどんアイデアが出てくることに感動しました。クリエイティブな思考は何もクリエイターだけのものではなく、すべての人が活用できるツールだと再確認しました。デザインじゃなくても、日々の暮らしや仕事にRethinkをちょっと活かしてもらえたら嬉しいです」と葛飾のクリエイティブに期待しました。

今回の会場の雰囲気に合わせ和服姿で挑んだ可児さん

 可児さんの言葉通り、終了後のアンケートではデザインやコピーライティングは未経験の参加者からも「Rethinkの考え方を自分の業務にも活かしてみたい」「キャッチコピーの作り方は非常に参考になった」「デザイン未経験でしたが、とても楽しかった」という感想が寄せられました。またデザインの経験者からは「“デザインは難しいこと”だと思われがちですが、ぜひこのセミナーを受けてみてもらいたいと思った。誰でもクリエイターになれますよ」という声も寄せられました。

 最後に、このセミナーを主催するクリエイターズマッチの代表取締役・呉京樹さんは「地元の魅力を最も知っているのはやはり地元住民なんだと再確認しました」とこのイベントを通してのコメントが。さらに「Rethinkの考え方を身に付け、コツさえ掴めば、外部の広告会社に『うちの町をかっこよくPRして』と丸投げせずとも、地元住民主導でより実感がこもったPRができるようになります。15年前の創業時より日本全国各地でクリエイターの教育に携わっていた当社のノウハウが地域創生の一助になればこれほど嬉しいことはありません」と語りました。

「積極的に参加しRethinkを楽しんでほしい」と呼びかけた呉さん

 今回のセミナー内容の一部は動画カリキュラムとして「Rethink Creator PROJECT」のwebサイトで無料公開されています。またハイブリッド式のセミナーが今後も各地で開催されるので、オンラインをうまく活用すると全国どこからでも参加できます。「Rethink」の学びを活用し、自分の住む町のPRにチャレンジしてみてはいかがでしょうか? または自身の暮らしや仕事に活かしてみるものいいかもしれません。

「Rethink Creative Contest」について

「Rethink Creator PROJECT」では誰でも参加できる「Rethink Creative Contest(リシンク クリエイティブ コンテスト)」を開催します。今回のワークショップのように、身近な地域の魅力をPRするポスターを募集します。提出形態は不問。イラストレーターソフトを使えなくても、パワーポイントやスマートフォンの機能を使って写真に文字を乗せるだけでもOK。あくまでアイデアの斬新さや切り口の面白さのみで評価されます。詳細は現時点では未定ですが「Rethink Creator PROJECT」webサイト内で順次公開されます。

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