堀切菖蒲園(葛飾区堀切2)で5月19日、ハナショウブの一番花が開花した。
今年先陣を切って開花したのは「加茂万里(かもまんり)」。極早咲きと呼ばれる種類で、中輪の大きさで、白地に紫の筋が入った姿をしている。同園では約200種類、6000株のハナショウブが楽しめる。例年、極早咲きから極遅咲きまで時期をずらして開花するため、一番花が咲いてからおよそ1カ月前後花を楽しむことができる。
同園では、昨年の一番花「蛇の目傘」や、区職員が交配し作った「堀切の夢」など、早咲きの品種が次々と蕾(つぼみ)を膨らませ数日中に開花する模様。公園課の松井辰己さんは「一番花の開花時期としては例年通り。伸びた葉で緑一色となった菖蒲田の中、存在感を見せている」と話す。
ハナショウブを美しく咲かせるための労力も大きい。菖蒲田ごとに3年に1度、株を掘り起こし、土をひっくり返してから耕運機で耕し、そこに株分けしたハナショウブを再び植えているという。通常最も状態がいいのは2年目の株だが、今年は1年目の株もしっかりと大きく育っている。
同園で最も多くの品種が咲く見頃は、6月10日前後の1週間から10日間ほど。江戸時代のショウブ愛好家・松平菖翁が品種改良した最高傑作といわれる「宇宙(おおぞら)」も見頃を迎える。6月1日からは「葛飾菖蒲まつり」も行われる。「年に1度、約1カ月間、堀切の風物詩・ハナショウブを見に足を運んでもらいたい」と松井さん。