葛西神社で6月1日に「一心泣き相撲」が開催され、境内に80組以上の家族が訪れた。
「葛飾場所」と銘打ち、今回初めて開催された同イベント。10時30分から30分ごと5ブロックに分けて行われ、土俵前に設けられた観客席は常に満席となるなど盛況ぶりを見せた。
イベントの流れは、社務所での受付で幼児の名前から名付けられた四股(しこ)名入りの兜(かぶと)と化粧まわしの受け取りから始まり、着替え、社殿での祈祷(きとう)の後、順番に土俵に上がる。祈祷まではおとなしかった幼児も、父母からまわし姿のイベントスタッフに抱っこが代わると表情が一変。不安な顔を浮かべる中、東京大学・落語研究会のメンバーが扮(ふん)する行事が通常の相撲と同様、東西の幼児力士の四股名を読み上げ、「ハッケヨイ!」の掛け声とともにスタッフに高く掲げられると、どの幼児力士も大泣きした。
集まった父母や家族は一心にカメラを構えて皆一様に笑顔を浮かべ、子どもの泣き声と親の笑い声が響くというユニークな光景が広がった。取組後は四股踏みやでんでん太鼓、人力車での記念撮影、記念手形の作成なども行われた。
葛西神社の宮司・香山伸一さんは「赤ちゃんが元気に泣いて、泣き相撲が家族みんなの思い出になれば」と話す。イベントに参加した松戸市在住の「大泣嵐圭悟」力士の父・林田淳一さんは「普段は子どもが泣いた親は大変だが、今日は親も盛り上がる。私たち親にとっても一生の思い出となった」と満足の様子。同じく松戸市在住の「泰進の富士」力士の父・中村雅浩さんは「ちょうど卒乳したところなので、これで赤ちゃんから卒業できるといいが」とほほ笑んだ。