亀有リリオホール(葛飾区亀有3)7階で7月17日から、葛飾区から見える東京スカイツリーをカラーボールペンで点描した作品展「葛飾から望む東京スカイツリー カラーボールペンスケッチ30景画展」が開かれる。
亀有や四つ木、立石、小菅、新小岩、奥戸、細田、堀切など区内30カ所から見た四季折々のスカイツリーをカラーボールペンの先で一点ずつ打ちながら描いたのは、新小岩在住のアマチュア画家・片亀(かたがめ)孝一さん(76)。
少年時代から絵が好きで、65歳の定年退職を機に絵画を本格的な趣味として始めたという片亀さん。民家に生えている樹齢の長い大木に対して区が環境保存のため指定した「保存樹木」を鉛筆で描き、その個展を2年前に開催している。
東京スカイツリーの風景を描こうと思ったのは、保存樹を描くために区内を回っている途中だった。「ああ、葛飾からも見えるんだと思って。それで、人とやらないことをしたいと思った」。
以来、自転車でのんびり走りながら、スカイツリーと周囲の風景、さらには夕暮れや夜など時間帯のバランスがとれたベストスポットを丹念に探し、その場で画用紙に鉛筆で下絵を描いてきた。色もその都度、自分が分かる記号でメモしていく。
半日かけて描いたその下絵を見ながら、さらに100円ショップで売っている7、8色入りのカラーボールペンで点を打つように押して描いていく。点描に使う紙は「ふすまに貼る壁紙」。「保存樹もそれで描いてきたが、ふすま紙ならではの微妙な凹凸によって、絵に陰影が生まれて立体感が出る」
ふすま紙とカラーボールポンによる効果で濃淡が生まれ、グラデーションが見事に表現されている。
「ふすま紙」を選んだのは、家に遊びに来た孫が、いたずらでふすま紙に落書きした絵を見て、「この紙質はいいな」と怒るより先にひらめいたことがきっかけとか。
完成した30点は、亀有での個展に先駆けて新小岩の地区センターでも6~12日まで展示され、大盛況を博した。同じ新小岩在住で、片亀さんの絵の大ファンだという東川(とうかわ)一男さん(94)は初日と最終日に来場。「絵に穏やかな人柄が表れている。彼の人間的な魅力も大好き」と話した。
生まれは群馬県だが、20歳を前に移住して以来、半世紀以上新小岩に住んでいるという片亀さん。「私は葛飾が大好き。だからこの街を、こういうことを通してでも、ヨイショしたい。応援したい」と胸を張る。
開催時間は10時~17時。今月23日まで。期間中は片亀さんが毎日在廊する。