亀有香取神社(葛飾区亀有3)で5月1日、防災ワークショップと熊本復興支援のイベント「かつしか防災パーク」が開催された。主催は葛飾で「すんでるまちをせまくする」をテーマに人と人を軸とした地域活動を行っている団体「葛飾会議」。
メイン会場では、同団体の谷優香さんによる防災講習、金町消防署によるAED講習と消火訓練、葛飾在住の漫画家、平松伸二さんのチャリティーサイン会を時間別に実施。その他、射的、ベーゴマ、ミニ四駆などの昔遊びコーナーと熊本復興支援募金ブース、防災マップ作成ブース、飲食コーナーなどを設置。天候にも恵まれ多くの親子連れでにぎわった。
4月16日に発生した熊本地震を受け、同イベントのボランティアチームを同団体の有志約30人で発足。わずか10日という短い準備期間で開催にこぎ着けた。同団体で発起人の森谷哲さんは「消火訓練やAED講習など防災に関する知識を学ぶほか、今回のイベントを通じ、人と人、地域とのつながりを大切にしていかなければならないと実感した。準備からイベント開催まで短期間にも関わらず、それぞれの普段の職能を生かした連携で円滑に行われたことにも感謝している。」と話す。
同チームで九州出身の青柳理沙さんは「今回の震災で祖母や親戚が熊本で被災したこともあり、今自分ができる事は何でもしようと思っていた。いつ東京で大きな地震が来るか分からないということも現実的になり、防災を見直さないといけないと思っていたところ、今回の企画が持ち上がり、すぐに家族全員での参加を決めた」と話す。
「今回のイベントを通じ、地域に防災の重要さを訴えることと、被災地への募金活動で微力ながら貢献できたことは個人的にうれしい。しかし、イベントを通じ防災意識が希薄だということに気付かされた」と振り返り、「今後もイベントを通じ、各家庭が防災を見直したり、ご近所さんを知ったりするきっかけをつくれれば」と思いを語った。
同イベントで集まった9万2,376円は、翌日葛飾区へ届けられた。次回以降の具体的な予定は決まっていないが、森谷さんは「今回の会場提供を快諾してくださった亀有香取神社さんと相談しながら、定期的に開催していきたい。誰しもが開催できるようフォーマット化を目指し、葛飾区各地で実施し防災の大切さを訴えていけるようにしたい」と展望を語る。