卵と乳製品を使わないケーキ-亀有のパティスリーが販売開始

見た目は全く変わらないが、乳製品と卵は一切使用していない。

見た目は全く変わらないが、乳製品と卵は一切使用していない。

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 亀有の洋菓子店「Patisserie Arcturus(パティスリーアークトゥルス)」(葛飾区亀有3、TEL 03-6805-3141)は8月4日から、卵と乳製品を使わないホールケーキの予約受け付けを開始した。

関連画像:断面は真っ白のケーキ

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 2006年10月にオープンした同店は、地元の20~30代の女性や家族連れなどをターゲットにする。定番のフレジェ(ショートケーキ)やモンブランのほか、季節のフルーツを使ったケーキなどが好評で、新商品も発表し続けている。過去にも「酸っぱすぎるゼリー」としてローズヒップゼリーを販売し、マスコミなどでも紹介された。

 同商品は、卵や乳製品のアレルギーのため誕生日ケーキを食べられない子どもに向けて開発したもの。以前から同店には「何とか自分の子どもに食べさせたい」という父母たちからの要請があったが、コストや技術の関係で断ることもあった。今回の開発に至った経緯について、オーナーパティシエの鈴木さんは「普段アレルギーを持っている子どもの場合、誕生日はゼリーなどの代用品になってしまう。少しでもケーキの味を楽しめるようにと思って開発に着手した。」と話す。ケーキの中身のフルーツに関してもフレッシュフルーツを使う本格的な味を提供している。

 通常ケーキに卵を使わない場合だと、スポンジを膨らませることが難しく、ケーキ独特の食感を損なうことになる。同商品はスポンジに使う卵の代用品として、ホエー豚でも知られる乳清のタンパク質を利用し、スポンジ独特の柔らかい食感を表現した。

 また生クリームに使われる牛乳の代用品には、植物性油脂を使ったホイップクリームを使用する。植物性油脂100%のクリームを使うと脂っぽさを感じることが多いが、豆乳などを混ぜることによってよりさっぱりと仕上げた。同店ではこのクリームを小ロットで販売する業者を探し、コスト面でもクリアした。

 同店ではアレルギー専用の工房はなく、粉末や手による微量のアレルギー物質が入る恐れがあることから、あえて「低アレルギー」と商品に説明を行っている。また小麦粉アレルギーに関しては米粉を使う案もあったが、商品価格の高騰につながるために今回は対応しない。しかしながら「材料の調達や米粉のメニューなどを考えることによって、今後対応していきたい」と意欲をみせる。

 価格も通常のデコレーションケーキより150円増しの3,650円で販売する。ただし、材料の調達などが必要になるため、ケーキは完全予約制で1週間前の予約を必要とする。

 今回の商品について、鈴木さんは「以前まで不可能で断っていたが、さまざまな探求によって可能になることもある。今後もよりニーズに対応した商品を提案し、利用客の笑顔を増やしていきたい」と話す。

 営業時間は10時~20時。

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