亀有駅に近い「サンドブラスト工房やまき」(足立区中川4、TEL 03-3605-1477)で取り扱っている浮き球を使った彫刻サービスについて、全国から問い合わせが増えている。
同工房は姉の松本和嘉子さんと妹の岡澤嘉納子さんが2004年10月にオープン。主に松本さんがサンドブラスト彫刻を担当し、岡澤さんが店内のディスプレーや接客などを担当する。工房では既製品の販売のほか、注文に応じたオーダー商品も受け付ける。季節に合わせた体験教室など参加型の工房を運営している。
浮き球を使った彫刻サービスは、同店オープンから手がける同工房の看板商品の一つ。商品、化のきっかけについて、松本さんは「実家が岩手の大船渡にあり、父が漁業関係の仕事をしていたのがきっかけ。実家には数多くの浮き球が余っており、何かに使えないかというのが作品を作る動機になった」と振り返る。
現在はブイなどで使われなくなった浮き球をリメークしたのは、工房がオープンしてから。当初は自店の看板として制作していたが、次第に店頭で見かけた来店客からの問い合わせが入るようになり、自身のブログで情報発信してからは愛知県から注文を受けるなど、全国から問い合わせが増えているという。注文客の年齢層は幅広い。「店のオープンや結婚式のウエルカムボードなどに利用してくれている。浮き球は荒波でも割れずに沈まずに活躍していた。縁起物としてプレゼントに選ぶ人が多い」(松本さん)。
松本さんはさらに、「大型の浮き球は現在生産されていなく、数も稀少。廃材などをリサイクルして作られるので、色味や大きさも同じものがない。世界でも一つだけの贈り物ができるはず」と話す。浮き球を使ったランプの制作なども受ける。小さな浮き球を使って彫刻加工するのは多いが、実際に使われていた浮き球を使ったオブジェは同店のみ。「大きくて加工するのが大変。大きさによってはブラスターに入らないこともある」とも。
現在の悩みは「小さい浮き球は小樽で作られているが、大きな浮き球を生産している工場がない。昔は実家に多くあったが、その数も限られている。どうか見つけたら譲ってほしい」とほほ笑む。
浮き球は台座付きで1万2,000円~。小さい浮き球での体験教室は3,500円(要予約)。営業時間は10時~19時。日曜・祝日定休。