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亀有のサンドブラスト工房、故郷へ浮き球-「頑張っペし」のメッセージ

メッセージが込められた浮き玉と松本さん

メッセージが込められた浮き玉と松本さん

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 亀有駅に近いサンドブラスト工房「サンドブラスト工房やまき」(足立区中川4)が浮き球を使ったメッセージボードを作成し、近く大船渡市内の施設に寄贈する。

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 同店は岩手県大船渡市出身の松本和嘉子さんが2004年10月にオープン。工房ではサンドブラスト加工された既製品の販売のほか、注文に応じたオーダー商品も受け付ける。販売のほかにも、季節に合わせた体験教室など参加型の工房を運営している。

 松本さんは大船渡の港から使わなくなった浮き球を仕入れ、工房でメッセージなどを彫刻し、リメークして販売。浮き球は「荒波でも割れず、沈まない」という特徴から、結婚式のウエルカムボードなど、縁起物として注文を受けている。大船渡出身の松本さんにとって浮き球は「特別なものでなく、家の隅に転がっているほど普通のもの」だという。

 今回の東日本大震災の津波の影響で、松本さんの実家は「津波の影響で何もなくなってしまった。(現地を見て)自分の見てきた故郷が跡形もなくなり、がくぜんとした」と振り返る。

 松本さんは親せきのいる陸前高田市に向かった際、がれきの中から割れてない浮き球を発見。そのときに「水産の町である大船渡。その象徴である浮き球で、元気をつけるメッセージを送れないか」と考え、実家にある浮き球を東京に持ち帰った。

 東京に帰った松本さんは制作に着手。メッセージは避難所に飾られた一遍の詩から引用した。「詠み人のいない詩だが、多くの人が勇気づけられたと聞いた。地元はこの言葉をスローガンに声を掛け、復興へと頑張っている。その気持ちを形にしたかった」と話す。

 浮き球は市内の公共施設に寄贈される予定で「今後も被災地から要望があればできるだけ応えたい」とも。同店での浮き球の売り上げの一部は、大船渡で就学している生徒たちの支援金に充てられる。

 今後については、「自分のできる限りの支援を長く続けていきたい。今後も共に『頑張っペし』の精神で進んでいきたい」と話す。

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