郷土と天文の博物館(葛飾区白鳥3、TEL 03-3838-1101)で現在上映中のプラネタリウム番組「東京で日食!173年ぶりの金環日食」が人気を集めている。
同番組は5月21日の朝、東京で173年ぶりに観測できる金環日食を題材にしたもの。同番組は土日を中心に3月から上映を始め、上映当初から同館には問い合わせが相次いだ。同館は来館者の要望に応え、今月から上映回数を1日1回から2回に増やした。
同番組はデジタルプラネタリウムの特性を生かし、宇宙から月の影が地球上を移動する金環日食の様子を鑑賞することが可能。上映中は解説スタッフが説明を行うため、金環日食までの日数などを毎回更新された情報も聞くことができる。前回東京で観測された173年前の江戸時代の風景写真を東京都写真美術館(目黒区)から借り受け、当時の金環日食の様子も再現した。
制作した同館学芸員の新井達之さんは「わざわざこの番組だけを鑑賞しに来館してくれる人がいるなど、とても好評。上映後に拍手が起こることもある」と話し、金環日食の観測については、「25年前に沖縄で見て感動した。まさか東京で観測でき、173年ぶりという歴史的瞬間に立ち会えることがうれしい」と喜ぶ。
金環日食当日の観察方法については、「必ず日食観察用の眼鏡を着用のこと。ない場合は、直接太陽を見ることはせず、ピンホールカメラの要領で厚紙に小さな穴を開け、地面に落ちる影を観察する方法がある」と新井さん。黒い下敷きやフィルムなどを通して太陽を見ることは、赤外線・紫外線を通してしまうため使わないでほしいと注意を促す。
プラネタリウム鑑賞料は、大人=350円、小中学生=100円、幼児=50円(別途入館料が必要)。5月27日まで上映。