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柴又で文化的景観調査の報告会-柴又の魅力を後世に伝える

報告にも登場した柴又帝釈天・題経寺

報告にも登場した柴又帝釈天・題経寺

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 柴又地区センター(葛飾区柴又1)で2月1日、柴又地域文化的景観フォーラム「柴又の魅力を後世に伝える」が開かれた。

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 文化的景観とは、地域における生活やなりわい、風土などで形成された景観地を指すもの。2004年には文化財保護法の一部改正により、特に重要で保護措置が講じられる景観には、都道府県や市町村の申し出に基づき「重要文化的景観」と認定される。

 同フォーラムは、東京都で初めて文化的景観保護に名乗りを上げた柴又地域の調査報告がメーン。東京大学・伊藤毅教授を団長とし、建築、地理、民俗学など各方面の学識者で結成された調査団が2012年より行った実地調査から得られた考察を基に発表され、会場に集まった地元住人およそ50人が耳を傾けた。

 報告では、近世、江戸の経済圏に含まれながら一定の距離を保ち、旧東海道と江戸川という東北へ向かう水陸の要の地だった点、「柴又帝釈天」の名で親しまれている題経寺(だいきょうじ)が、歴史上、何度も伽藍(がらん)配置を変えてきた点、参道の店舗建築が独特である点などが挙げられ、伝統を大切にしながら時代に合わせて変化する街のあり方を評価する内容。

 パネリストとして登壇した京都工芸繊維大学・清水重敦教授は「土地の力を利用して景観を守っていくことが大切。それが地域のブランド力を高めることがつながる」と話し、文化庁技官の鈴木地平さんは「柴又に住んでいる人が柴又を一番よく知っているからこそ、柴又の景観を守っていく『柴又ルール』を見つけてほしい。ぜひ東京で第1号の重要文化的景観は柴又で」と期待を寄せた。

 調査は来年度いっぱい行われ、その後、考察本として編集される予定。

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