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柴又まちなか再生計画-明大生3人、活性化プランを発表

大学生の発表に対して真剣な目線で質問する地元住民たち

大学生の発表に対して真剣な目線で質問する地元住民たち

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 柴又の高木屋老舗(葛飾区柴又7)で7月17日、明治大学の学生3人による「柴又まちなか再生計画」の発表会が行われた。

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 同企画は明治大学理工学部建築学科の4年生3人によるもの。「まちなか再生計画」をテーマに既存の商店街をどのように活性化していくかについて、3人がそれぞれ発表した。

 担当教官で景観デザインを専門とする田邊寛子さんは「4月上旬から課題をスタートさせ、3カ月のプロジェクトとして計画した。建築で街の問題を解決しようと考える場合、建築家やそれを学ぶ学生は分析や特徴をつかむことは得意だが、地域に実際に落ちている問題を見失いがち。今回は街に住んでいる人をインタビューし、実際の街の問題をヒアリングするところからスタートした」と話す。

 3人は地域で商売を営む9人にインタビューし、街の現状や課題などを精査。その街の問題を解決するために独自のプランを策定し、地域のデザイン案を発表することになった。発表当日は地元で活動するNPOや商店主、地元町会の会長など約20人近くが集まった。

 最初の発表者である鈴木脩斗さんは、既存の商店街を活性化するプランを提案。現在商店街のある土地に農商工連携の施設を立ち上げ、コミュニケーションの場として提案。参加者からは「農業の支援を行っているが、このような発表できる場所ができると、より農業を知ってもらえそう」という意見があった。

 次の発表者である荻野航さんは、商店街全体に休憩所と緑が少ない部分に着眼。緑が多くどこでも休める路上と休憩所の設置を提案。「安い賃金でも高齢者が働けるような施設の仕組みになってくれれば。葛飾には高齢者が多く働きたい人も多い」と参加者からのアドバイスもあった。

 最後に発表を行った長谷川祥さんは、周辺環境と観光需要などを調査し、柴又周辺の建築や歴史などを紹介するサイクリングロードを提案。「遠くからやって来る観光客だけでなく、隣駅やそのまた隣町から来てもらえるようなまちづくりをしたい」と、自らそのプランの目的を説明した。

 一方、地元住民・関係者ならではの厳しい意見も寄せられたが、発表会後に地元町会の関係者は「経済を行っている私たちと違う学問の目線からの提案をもらった。長く住んでいると新しい計画も保守的になり否定しがち。このようなイメージが沸いてくる都市計画の中にも、商店街再生のヒントが多くあると感じた」と話す。

 長谷川さんは「通常は課題として終わらせるものだが、実際に話を聞いてもう一度練り直したくなった。建築だけでないまちづくりのいろいろなアイデアが浮かび、とても刺激になった」と振り返る。

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