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亀有で美術作家・小林あずささん個展-「髪の毛」「ひも」をモチーフに

作品「スプリング・エフェメラル」の前で小林さん(左)と新藤さん

作品「スプリング・エフェメラル」の前で小林さん(左)と新藤さん

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 亀有にある「ギャラリーバルコ」(葛飾区亀有3)で現在、美術作家・小林あずささんの個展「あざなえる縄」が開催されている。

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 小林さんは1988(昭和63)年生まれの横浜市出身で、現在、東京芸術大学大学院で油画を専攻する学生。インスタレーションやオブジェなどの創作をはじめ、最近では絵画を中心とした作家活動をし、東京芸術大学「芸大アートプラザ大賞」大賞(学長賞)などの受賞歴がある。

 小林さんは自身の作品について、かつて酒井抱一や尾形光琳といった日本画を熱心に模写したり、民俗学を学び特定の造形物がまとういわれや意味を収集していたりしたことが作風に生かされているという。同展を企画した同ギャラリーのディレクター・新藤君平さんは「平面を描くのに濃淡で距離を表現する日本美術のような魅力がある。ドローイングの中に言葉をコラージュする作風も連想ゲームのようで面白い」と話す。

 タイトルの「あざなえる縄」は「幸福と不幸は表裏一体で代わる代わる訪れる」という意味の故事「禍福は糾(あざな)える縄の如し」に由来。同展では「髪の毛」や「ひも」など一本では細く弱いが、編み上げることで強い構造になる様をモチーフとした絵画9点を展示し、独特の世界観を表現している。

 個展を開くにあたり、小林さんは「絵を見てリラックスしたり、思いにふけることができたりする空間を作りたかった。作品に込めたメッセージを、見た人がそれぞれイメージを膨らませて自由に理解してもらいたい」と話す。自身が「小学生の時、現代アートの国際展・横浜トリエンナーレで芸術の世界に引き込まれた」ように、子どもにも会場へ来てほしいとも。

 営業時間は12時~19時。2月23日まで。

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